アマゾン・プライムデーと新型iPhone発表

大統領選を控えて上昇が続く米国株

昨日もアメリカ市場は続伸でした。

10月に入ってからS&P500は上昇、9月の高値まで数%の水準まで戻してきました。私は先日も『今の上昇相場に乗っかるのは少し危険だと思う』という記事で書いたとおり、少し今の上昇は気持ちが悪いというか、不気味な感じがします。

株価上昇を牽引しているのがアップル(AAPL)とアマゾン(AMZN)に代表されるハイテク銘柄です。

アップルは日本時間14日深夜2時に発表される新型iPhoneに対する期待、アマゾンは13日から開催されている年に一度のプライムデーへの期待から上がっていると思われます。

例年になく盛り上がりが期待されている2つのイベント

iPhone12の発表もアマゾンプライムデーも何も今年に限ったイベントではなく、毎年あるイベントです。
しかし、今年の両イベントは例年になく注目度が増しています。おそらくそれは株式市場だけではなく、一般の人たちの注目度も例年より高いのではないでしょうか。

新型iPhoneの発表会が注目を集める理由は初の5G対応のiPhoneだからです。5G対応iPhoneへの期待は今に始まったことではなく、ここ数年のアップル株の上昇の大きな要因のひとつが5Gへの期待だと言っていいと思います。ここ2年でアップル株は2倍以上に上昇しました。PERは16倍前後から35倍以上に跳ね上がっています。

個人的には私も消費者として新型iPhoneには注目しています。
私の携帯はいまだにiPhone6Sです。昨年、電車の定期券をモバイルSuicaにしようと思ったら、6Sは古い機種なのでモバイルSuica未対応でした。買い替えも検討しましたが、どうせ買い換えるなら5G対応の機種にしようと思い、昨年は買い替えを見送りました。最近はバッテリーの持ちも目に見えて短くなっていますし、そろそろ買い替え時かなと思っています。
同じように昨年買い換えを検討したが、5G対応の機種が今年出るので待つことにしたという人は世界中にいるのではないかと思います。そしてそれが投資家の新型iPhoneへの期待を大きくしていると思います。大きな買い替えサイクルの波が来るのではないかという期待です。

一方のアマゾンプライムデーへの期待を大きくしているのは、言うまでもなく新型コロナウィルスです。
日本では最近、GO TOキャンペーンなど経済活動も徐々に戻ってきているようですが、アメリカではまだまだ感染拡大のリスクが高いままです。
家族や友人で集まってパーティもできないし、レジャーにも思うように出かけられない、ならばストレス発散も含めてパァーっとアマゾンで欲しいものでも買おう、なんていう人は少なくとも例年よりも多いはずだと思います。私はほぼアマゾンで買い物をしないので(というか生活必需品以外の買い物をほぼしない)、プライムデーの恩恵がどの程度のものなのかよくわかっていませんが。

不気味に感じる長期金利の上昇

ただ、今の株価上昇は少し不気味だと思っています。根拠のひとつはじわりじわりと上昇してきている長期金利です。

6月に一時急上昇したときは0.9%まで達しましたが、まだその水準までは上がっていません。しかし、8月以降、じわりじわりと上がってきています。
金利の上昇(債権が売られる)は株価下落圧力になります。株価は将来利益の合計の割引現在価値です。ざっくりと以下の計算式で算出されます。

株価=将来利益の合計/割引率

私は実際に数字を当てはめて計算することはしません。なぜなら、割引率は個人の主観でしか弾き出せないからです。将来利益の合計は過去の利益成長率からおおよそ計算することは可能です。しかし、割引率は論理的に弾き出すことは難しいです。実際に今の割引率は5%なのか8%なのか10%なのかは個人の主観抜きに決めることはできないと思います。具体的な数字は出せませんが、金利が上昇すると株に比べて債権の魅力が増すので、株への割引率は上昇することは間違いないと思います。

アップルとアマゾンのイベントを通過し、議会での追加経済対策が決裂となったときのことと、足元の金利上昇を考えると、やはり今の株価上昇は少し不気味な感じがします。


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