日本の米株投資家にとってはまだ大した買い場じゃない

S&P500は年初来-18%、NASDAQ100は-28%

今週に入ってもアメリカの株式市場は荒れた相場が続いています。

昨日は一昨日からの下落に歯止めがかからず、S&P500は3,900.79で引けました。

年初来の下落幅は900ポイント近くに迫り、下落率は18.68%です。

ハイテク銘柄が多いナスダックはさらにひどいパフォーマンスになっています。
理由は急激な金利上昇や昨年までのパフォーマンスがS&P500など他の指数に比べて好調だったことなどが挙げられます。山が高ければ谷も深くなります。

NASDAQ100の年初来の下落幅は4,600を超え、下落率は28.03%となっています。

SNSを見ると、急激な株価下落に対して悲鳴のようなツイートがある一方、「買い場だ!」というような意見も散見されます。

ドル建てで見れば確かに2020年3月以降でもっとも割安な水準まで売り込まれてきていると思います。

しかし、日本のアメリカ株投資家にとっては「買い場だ!」と興奮するほどの買い場ではまだないかなとも思います。

2022年に入って10円以上円安が進行

理由は円安です。

⬆️は2022年1月以降のドル円のグラフですが、3月以降、急激に円安に振れていることがわかります。

1月3日は115円台前半でしたが、5月には一時131円台を記録し、足元では若干円高に戻ってきたものの、それでも127円台です。

ドルは年初と比較して11%上昇したことになります。

もし、あなたが保有しているアメリカ株が年初来-11%であったとすると、為替益と相殺されてプラスマイナスゼロということになりますし、株式のパフォーマンスが±0であった場合、円建てでは+11%ということになります。

すでに保有しているドル資産に対して円安は下駄を履かせる効果がありますが、これから新たに買おうとする資産にとってはコスト増ということになります。

私がつみたてNISAを利用して積み立てているe MAXIS Slim 米国株式のHPには基準価額のチャートが掲載されています。

年初の1月4日の基準価額が19,291円であったの対し、昨日5月19日は17,640円でした。年初来のパフォーマンスは-8.56%です。

S&P500の年初来パフォーマンスは-18.68%でしたので、円建ての投信は10%近くパフォーマンスが良いということになります。

NASDAQ100でも同様の傾向が見られます。

年初の1月4日の基準価額が14,064円であったの対し、昨日5月19日は11,324円でした。年初来のパフォーマンスは-19.48%です。

NASDAQ100の年初来パフォーマンスは-28.03%でしたので、こちらも円建ての投信は10%近くパフォーマンスが良いということになります。

S&P500、NASDAQ100とも指数ではすでに3月の安値を突破して現在が年初来安値水準ですが、円建て投信の基準価額では S&P500は現在値が3月安値よりも高く、NASDAQ100では3月安値と同じ水準です。

では、為替が円高に戻るまで投資を待ったほうがいいのかと言うと、それはわかりません。

株式市場の動きはランダムウォーク、つまり予測できないなどと言われることがありますが、為替相場はそれ以上に複雑怪奇です。

為替市場では実需と呼ばれる輸入・輸出企業から投機を行っている個人まで、あらゆる人々がそれぞれの思惑を持ってトレードしています。

このままアメリカの景気原則懸念が強まれば、アメリカの長期金利も低下して、日米金利差が縮小し、円高に振れるという見方もあるようですが、その通りの動きになるかは誰にもわかりません。

やはりコア・サテライト戦略で、コアはドルコスト平均法で地道に積み立てていき、サテライトでは投資環境が整うまでじっくりと待つというのが投資の王道なのかなと思います。


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