バフェット バンク・オブ・アメリカ買い増し 自社株買いも

決算ラッシュがひと段落しました。全体としてはやはり明暗わかれたなという印象です。ハイテクや生活必需品が強かったですね。アップルやアマゾンは決算後、一段高となっています。

8月8日は土曜日だったんですが、1社だけ土曜日に決算発表を行っている会社があって、どこだろう?と見てみたらまさか、まさかのバフェットのバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)でした。土曜日に決算発表するんですね。社員や記者たちは休日出勤でしょうか。

私はバークシャーの決算はフォローしてません。ただ、決算前後になると「バフェット〇〇へ投資」とか「バフェット〇〇を売却」とかニュースになるのでそのニュースは目を通すようにしています。

今回も2つニュースが出ていました。

バークシャー の金融株買い増し

1個目はバンク・オブ・アメリカ(BAC)を最低でも17億ドル分買い増したというニュースです。

銘柄比重
アップル(AAPL)35.5%
バンク・オブ・アメリカ(BAC)11.9%
コカ・コーラ(KO)10%
アメリカン・エキスプレス(AXP)7.4%
ウェルズ・ファーゴ(WFC)5.3%
クラフト・ハインツ(KHC)4.6%
ムーディーズ(MCO)3%
JPモルガン(JPM)3%
USバンコープ(USB)2.6%
ダヴィータ(DVA)1.65

以前、バークシャーの記事を書いた際に載せたバークシャーのポートフォリオ上位10銘柄のリストです。バンカメは2位です。今回の買い増しで順位に変動はありません。アップルの比重が35%ということはおそらくものすごい額の含み益が出ていることでしょう。リストのデータは3月末時点のものなので現在はアップルの比重がさらに高くなっているかもしれません。

さて、バンカメ株ですが、7月の後半2週間で買ったという報道が出ています。バークシャー の買値までは公表されていないのでわかりませんが、7月後半で23ドル台前半から24ドル台後半まで上昇しています。

私は銀行株の決算は詳しく見ていませんが、ざっと株価と主な指標だけ確認したいと思います。株価は24ドルで計算します。

バンク・オブ・アメリカ(BAC)
株価:24ドル
2019年度EPS:2.75ドル
2020年度EPS(予):1.57ドル
PER(実):8.73倍 益回り:11.5%
PER(予):15.29倍 益回り:6.5%
過去10年平均PER:17.10倍 益回り:5.8%

リーマンショック後、2011年度決算までは赤字でしたので過去のPERはそれ以降のPERの平均です。ただ、黒字転換直後はPERも高めでした。株価は先行指標なので先々の業績を織り込んで値付けされます。黒字転換直後は黒字幅が小さいですが、数年で黒字額はある程度の水準まで伸びるだろうと見越されていますので、自然とPERは高くなります。ここ数年は1ケタ台後半から10%台前半で推移しています。リーマンショック直前でも同じような水準でした。株価だけ見れば一周回ってリーマンショック前の水準に戻ってきています。こういった点が銀行株は万年割安株なんて揶揄されてしまう由縁でしょうか。

3月末の時点でバークシャー は約196億ドルのバンカメ株を保有していましたので、保有額の10%弱のボリュームを買い増したことになります。なかなか大きな買い増しです。

バフェットは一貫して銀行株に強気です。上に載せた上位10銘柄中、銀行株は4銘柄を占めます。
銀行株は新規参入障壁が高く、ネットワーク効果もあって経済的な濠の深いビジネスだとは思いますが、今は世界的に史上かつてないほどの低金利です。FRBはこれ以上、利下げできない水準まで金利を引き下げてしまっています。さらに利下げするとなればマイナス金利しかありません。しかも低金利はこの先、しばらくは続きそうです。お金を貸して、その金利で儲ける銀行は私には先の明るいビジネスには見えないのですが、バフェットはどう思っているのでしょうか。
確かにPER1ケタ台はアメリカ株では銀行株とエネルギー株ぐらいしかありません。数字だけ見れば割安です。

過去最高の51億ドルの自社株買い

2つ目のニュースは自社株買いです。51億ドルもの自社株買いを行っていて、過去最高額だそうです。

個人的にはこちらは銀行株の買い増しよりは理解できます。
バークシャーの6月末現在の手元資金は1,466億ドルに達しています。こちらも過去最高水準のキャッシュポジションだそうです。
バークシャーは投資会社ですから手元の資金はなるべく投資しなくてはなりません。手元に現金で置いておいても増えませんから、株主から「投資しないのであれば株主に還元しろ!」という意見が強まります。一方で投資したくても魅力的な投資先がなかなか見つからない。ということで、今回、自社株買いに踏み切ったと思われます。

株主に還元する方法は一般的には配当を出すか自社株を買い戻すかです。バークシャーはもう何十年も無配当を貫いていますので、そう簡単に配当は出さないでしょう。
51億ドルは大きな金額ですが、それでも手元資金はいまだ1400億ドル近く残ります。今後も株主からの「手元に現金で置いておくならば株主還元を!」というプレッシャーは止まないでしょう。赤字で苦しんでいる企業からしたらうらやましい話ですが、今後も当分は現金をどう割り振るかがバークシャーの課題になりそうです。