バフェットが日本の商社株に投資! 日本株投資に踏み切った理由

バークシャー・ハサウェイは日本の商社5社、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の株式をそれぞれ5%超取得したと発表しました。

これは本当にびっくりしました。
昔からよく「もしバフェ銘柄」というものが話題になることがあります。もしもバフェットが日本株に投資するとしたらどの銘柄かという話です。実際にバフェットが投資していないのだからそんなこと考えたって意味ないという批判もありましたが、もしバフェ銘柄はバフェットが実際に日本株に投資していなかったから成立する話でした。まさかバフェットが日本株に投資することになるとは思いも寄りませんでした。

バフェットが日本株に投資した理由

金鉱株への投資や金融株の売却など、最近のバークシャーは今までのバフェット流からの脱却を図っているとも取れる動きをしています。
バークシャーが日本株の投資に踏み切った理由は2つあると思います。

まず最も大きな理由はアメリカ株の高騰です。
8月28日時点のS&P 500指数の直近12ヶ月のEPSをもとにしたPERは36.19倍、予想EPSをもとにした予想PERは26.74倍です。
今年前半はコロナの影響で多くの企業の業績が一時的に下振れています。コロナの影響が経済にいつまで続くかはいまだに見通せませんが、一時的な要因であることには間違いありません。そういった一時要因を考えると、実績EPSベースのPERは少し差し引いて考える必要があります。
それを踏まえても、S&P500のPERはリーマンショックのあと15倍まで下落し、その後は15倍〜25倍のあいだで推移してきていたので、上っ放れた印象です。

ふたつ目の理由は日本株の割安感です。
7月末時点の東証一部上場銘柄の全体のPERは18.8倍です。やはりS&P500と比べると割安感はあります。
さらに商社株はその中でもバリュー株に分類される銘柄です。万年割安株という声も一部ではありますが。

商社株のスペック

今回、投資が発表された商社株の実績PERと純利益率、ROE(Return on Equity,自己資本利益率)は以下の通りです。

銘柄PER(実)純利益率(2020年3月期)ROE
三菱商事7.21倍3.6%9.8%
三井物産8.46倍5.7%9.7%
伊藤忠商事8.12倍4.6%17%
住友商事10.02倍3.2%6.4%
丸紅赤字のため算出不可赤字のため算出不可赤字のため算出不可

確かに割安感はありますが、利益率やROEを見ると私にはあまり魅力的には映りません。丸紅は20年3月期の決算が赤字転落してしまいました。
もし日本株に投資しなくてはならないなら、割安感はありますし、海外での売上比率が高いので人口減少の影響も内需株よりは受けにくいと思うので投資候補になるかもしれませんが、バフェットが世界中の投資対象からあえて日本の商社株を選んだ理由は非常に気になるところです。

アメリカには商社にあたる会社はありません。商社はアメリカの投資銀行のように世界中のあらゆる事業に投資をする側面がありますが、投資銀行には輸入事業や貿易事業はありません。

今回のバフェットの商社株への投資のニュースを聞いたとき、日本一成功した個人投資家で「日本のバフェット」と称された故・竹田和平さんが商社株に投資していたのをふと思い出しました。
当時の記事を探したのですが見つからなかったので私の曖昧な記憶に拠ってしまいますが、竹田さんが商社株が割安に放置されている理由として、海外の投資家に業態が理解されづらいからだと言っていた記憶があります。

もうひとつ、商社株が割安に放置されている理由として、私はコングロマリット・ディスカウントがあると思います。
ロケットからブラジャーまでと称されるほど日本の総合商社が手掛けている業種・商品は多岐に渡ります。投資家からはどうしてもビジネス効率が悪いように映ってしまうと思います。

10年後、商社株はどうなているでしょうか?S&P500を上回っていたら、さすがバフェットは慧眼だったということになると思いますが、答えは10年経たないと誰にもわかりません。