アップル(AAPL)Q3
決算発表 7月27日
【決算概要】
| Q3(前年比) | 市場コンセンサス予想 |
---|---|---|
売上高 | 814.3億ドル(+36.4%) | 729.3億ドル |
営業利益率 | 29.6%(+7.7%<+770bps>) | – |
EPS | 1.30ドル(+100.0%) | 1.00ドル |
株価:145.64ドル(7月29日終値)
2020年度EPS:3.28ドル
2021年度EPS(予):5.18ドル Q3終了時点:4.38ドル
PER(実):44.40倍 益回り:2.25%
PER(予):28.12倍 益回り:3.56%
過去10年平均PER:15.97倍 益回り:6.26%
好決算も半導体の供給不足による影響を嫌気して株価は小幅に下落
売上高が前年比で36%増、iPhoneの売上高に至っては前年比50%増という好調な決算でした。
昨年のQ3(4-6月期)はパンデミックの影響を最も受けていた時期なので、その分今年の売上高前年比率が高くなるのは当たり前ですが、それを差し引いても前年比50%増というのはすごい数字だと思います。
カテゴリー別売上高を見てみましょう。
売上高 | コンセンサス予想 | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
iPhone | 395.7億ドル | 340.1億ドル | +49.8% |
Mac | 82.4億ドル | 80.7億ドル | +16.3% |
iPad | 73.7億ドル | 71.5億ドル | +11.9% |
Wearables, Home and Accessories | 87.8億ドル | 78.0億ドル | +36.0% |
Services | 174.9億ドル | 163.3億ドル | +32.9% |
やはりiPhoneの成長が目を引きます。ただ、iPhoneの売上高が全体の売上高のうち約半分を占めていて、一時期よりは低くなったとは言え、iPhoneの依存度は高いです。
地域別の売上高は以下のとおりでした。
売上高 | 前年同期比 | |
---|---|---|
南北アメリカ | 358.7億ドル | +32.8% |
ヨーロッパ | 189.4億ドル | +33.7% |
中華圏(香港、台湾含む) | 147.6億ドル | +58.2% |
日本 | 64.6億ドル | +30.2% |
その他アジア諸国 | 54.0億ドル | +28.5% |
中国が前年比で50%以上の高い伸びを示しています。アップルにとって中国は、部品の製造工場であると同時に大量に製品を買ってくれる大口顧客でもあります。
今回も具体的な業績ガイダンスは示されませんでした。ただ、経営陣は今後も売上高ベースで10%以上の成長が見込めると話しています。
21年の予想EPSは5.18ドルですが、すでにQ3までで4.38ドルなので、この数字は今後数週間のうちに上方修正されていくでしょう。
Q3では230億ドルの自社株買いを実施しています。今後も自社株買いによる株主還元は続いていくでしょう。
全体的に素晴らしい決算でしたが、決算発表後の株価の推移は冴えません。
アップルは毎回、決算はいいのに決算直後の株価が冴えないイメージがありますが、今回もほぼ横ばいです。
株価が冴えない理由のひとつが、決算コールで経営陣が世界的な半導体の供給不足がiPhoneやiPadの生産にも影響を与える可能性があると言及したことにあります。
ただ、半導体の供給不足によって減産に追い込まれたとしても、それは業績の一時的な減速に過ぎないと思います。長期ではあまり大きな影響は出ないでしょう。
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