iPhoneの売上減は気にする必要ない アップル 決算 Q4

アップル(AAPL)Q4

決算発表 10月29日
【決算概要】

Q4(前年比)市場コンセンサス予想
売上高647億ドル(+1%)637億ドル
営業利益率22.8%(-1.6%<-160bps>)
EPS0.73ドル(-4%)0.7ドル
2020通期(前年比)市場コンセンサス予想
売上高2745.2億ドル(+5.5%)2732.2億ドル
営業利益率24.1%(-0.5%<-50bps>)
EPS3.28ドル(+10.4%)3.24ドル

株価:108.86ドル(10月30日終値)
2020年度EPS:3.28ドル
2021年度EPS(予):3.9ドル

PER(実):33.19倍 益回り:3.0%
PER(予):27.91倍 益回り:3.6%
過去10年平均PER:14.61倍 益回り:6.8%

iPoneの売上減で株価下落

全体的には決して悪い決算ではなかったと思います。Q4、通年でともに売上高、EPSのコンセンサス予想を上回っています。

しかし決算発表翌日、株価は下落しました。報道ではiPhoneの売上減が嫌気されたと分析されています。
Q4のカテゴリー別売上高は以下のとおり。

売上高 単位:百万ドル前年比変動率
iPhone26,444-20.7%
Mac9,032+29.2%
iPad6,797+46.0%
Wearables, Home and Accessories7,876+20.8%
Services14,549+16.3%

iPhone以外は各カテゴリーはすごい伸び率だと思います。iPadに至っては前年の約1.5倍の売上です。これだけ伸びると来年のQ4が怖くなるくらいです。

一方でiPhoneは-20%でした。私はこれはまったく気にする必要がないと思います。

iPhoneの売上は例年、Q1(10-12月期)➡️Q4(7-9月期)➡️Q2(1-3月期)➡️Q3(4-6月期)の順で高くなっています。
Q1が1年でもっとも高いのは、11月末から本格化するクリスマス商戦の影響です。次にQ4が高いのは、例年9月に新型iPhoneが発売されるためです。

しかし、今年はパンデミックの影響で新型iPhoneの発売が10月になってしまいました。新型の発売前は買い控えが起こります。例年、Q3の売上が一番低いのはそのためですが、単に今年は買い控えの影響がQ4まで伸びてきてしまったというだけのことです。

今期のiPhoneの売上高は264.4億ドルでしたが、2019年Q3のiPhone売上高は259.9億ドルでした。比較すると+1.7%です。Q3と比較すると前年並みという水準だと思いますが、その分、来期2021年Q1の売上高は高くなければなりません。

次に2020年通年の各カテゴリーの売上高を見てみましょう。

売上高 単位:百万ドル前年比変動率
iPhone137,781-3.2%
Mac28,622+11.2%
iPad23,724+11.5%
Wearables, Home and Accessories30,620+25.1%
Services53,768+16.2%

iPhoneが前年比マイナスになってしまったのはQ4同様、新型iPhoneの発売が遅れてしまったことによるものと考えていいと思います。

それ以外のすべてのカテゴリーで2ケタの伸びでした。パンデミックの影響で世界中でリモートワークが行われ、特需のような状況になった影響だと思いますが、それにしてもすごい伸び率だと思います。来年は伸び率が鈍化すると思いますが、どの程度伸び率を維持できるかがカギになってると思います。

世界中で不確実性が見込まれるとして来期のガイダンスとして具体的な数字は発表されませんでした。

感染が拡大したとしてもクリスマス商戦では消費者はオンラインでアップル製品を買うと思いますし、新型iPhoneの売上も好調と言われていますので、私はコロナの感染再拡大はアップルの業績にはあまり関係ないんじゃないかと思っています。

Service部門に力を入れるアップル

9月のイベントの際に発表された「Apple One(アップルワン)」の提供が10月30日に開始されました。日本国内でもすでに開始されているようです。

アップルワンは音楽聴き放題のApple Music、動画配信サービスのApple TV+、ゲームサービスのApple Arcade、そしてクラウドストレージのiCloudがセットになっているサービスです。iCloudが50GBの個人プランでアメリカでは月額14.95ドル、日本では月額1,100円です。日本のほうが安いんですね。

デバイスからサービスへのビジネス基軸の転換はアップルにとって最大の課題です。デバイスは買ってしまえばそれっきりですが、サービスはアップルワンのように毎月支払いが発生します。サービスは毎月、一定のキャッシュをアップルにもたらしてくれます。

ここ数年でアップルのPERは10倍台から30倍台に伸びましたが、これはマーケットがアップルのビジネスの軸がデバイスからサービスへ移ることへの期待の表れです。

現状、カテゴリー別の売上でServiceの売上はiPhoneの半分以下です。Serviceの売上がどこまでiPhoneの売上に近づけられるか、あるいは追い越すことができるかが今後の長期的な焦点になってくると思います。