金融緩和は業績に追い風 ブラックロック 決算 Q2

ブラックロック(BLK)Q2

決算発表 7月14日
【決算概要】

Q2(前年比)市場コンセンサス予想
売上高48.2億ドル(+32.1%)46.1億ドル
営業利益率44.9%(+1.2%<+120bps>)
EPS10.03ドル(+27.8%)9.36ドル

株価:845.16ドル(7月19日終値)
2020年EPS:33.82ドル
2021年EPS(予):37.8ドル Q2時点:17.80ドル

PER(実):24.99倍 益回り:4.00%
PER(予):22.36倍 益回り:4.47%
過去10年平均PER:15.67倍 益回り:6.38%

運用資産総額は9.5兆ドル

市場予想を上回る好決算でした。

前回の決算で9兆ドルを突破した運用資産総額は9.5兆ドルでした。

株式市場の動向次第ではありますが、今年中にも10兆ドルを突破しそうな勢いで運用資産額は増えています。

新規の資産流入額は810億ドルでした。21年Q1まで続いていた新規資金流入増加の流れは小休止といったところでしょうか。

マネーサプライは過去最大レベル

⬆️は2008年以降のM1(マネーサプライ)のチャートです。
M1は市中の流通現金通貨と預金通貨を合計したもので、市中に出回っているお金の量を表します。

上のチャートのとおり、M1は2020年5月以降急拡大しており、現在19兆ドル台と過去最大レベルです。理由は言うまでもないと思いますが、パンデミックによる大規模な金融緩和と財政出動にあります。

これら市中で流通しているお金のうち一部が今後も資産運用の市場へと流入し続けてくることが予想されます。資産運用会社であるブラックロック にとっては今後数年の業績への追い風になると思います。

6月以降、市場では金融引き締めの議論が加熱してきています。
先月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、FRBによる国債やMBS(不動産担保証券)などの資産買い入れ縮小を意味するテーパリングを21年末から22年にかけて、利上げを22年から23年にかけて行なっていくことが示唆されました。

目先では8月末にワイオミング州のジャクソンホールで開かれる会合でパウエルFRB議長がどのような発言をするかに注目が集まっています。FRBの金融政策の振り幅が定まるまでは株式市場は荒れる可能性があります。

しかし中長期で見れば、たとえ今後数年内の金融引き締めが決まったとしても、市中に出回っている市場最大規模のお金のうちの一部が株式や投資信託などの資産運用の市場へ流入し続けるという流れは当分続くでしょう。株式市場が過度なリスクを意識したときは、ブラックロックにとっては買い場になる可能性があるのではないかと考えています。


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