【決算】ウォルト・ディズニー ステイホームは同社にとって追い風?

ウォルト・ディズニー(DIS) Q2

決算発表 5月5日
【決算カンファレンスコール要旨】
・売上高は21%増の180億ドルだが、これは21世紀フォックス買収によるもの
・EPSは0.6ドル。前年同期は1.61ドル。
・新型コロナの影響で14億ドルの利益が下振れと見ている。うち10億ドルはパーク起因による。
・世界中のディズニーパークが閉園中で見通しを出すにはまだ早い。
・上海ディズニーランドは入場制限等をした上で5月11日に営業再開。
・「ムーラン」など新作の劇場公開も映画館が閉鎖している影響で7月以降に延期
・今年度前期の配当見送りを決定。昨年度の配当、1株あたり0.88ドルで計算すると16億ドル節減。
・新型コロナ禍にかかわらず、西ヨーロッパとインドでDisney+のサービス開始に成功
・4月上旬時点、サービス開始から5ヶ月でDisney+は全世界で5,000万人の契約者を獲得
・Disney+は6月に日本、続いて9月に北欧、ベルギー、ルクセンブルクそしてポルトガルでサービス開始予定
・Huluの契約者数は3月終わりの時点で3,200万人
・アメリカ国内のパーク入場者数は11%減
動画配信サービス等のダイレクト・トゥ・コンシューマー・アンド・インターナショナルは前年同期より4.27億ドル赤字が拡大したが、これはDisney+の世界中でのサービス開始のための経費とHuluのサービス強化のための経費
Q3でダイレクト・トゥ・コンシューマー・アンド・インターナショナルでの赤字は11億ドルまで拡大する見通し

ディズニーは実は巨大なメディア・コングロマリット

ウォルト・ディズニーと聞くと、どのような印象を抱くでしょうか?
おそらく、ディズニーランドやシーのテーマパーク、あるいは「アナと雪の女王」やピクサーの「トイ・ストーリー」などの映画作品ではないでしょうか。

ディズニー2019年度年次報告書を参考に作成

こちらは2019年度のディズニーのセグメント別売上比率です。
パークでの売上は全体の3割強で、メディアネットワークもほぼ同じ割合での売上になっています。
メディアネットワークは、ディズニーが傘下に持つテレビ局やケーブルテレビでの売上です。3大ネットワークのうちの1つABC(American Broadcasting Company)、スポーツ専門局ESPN、エンタテイメントチャンネルのディズニーチャンネルなどを傘下に収めています。
スタジオエンターテイメントはディズニー、ピクサー、マーベルやスター・ウォーズシリーズのルーカスフィルム等の映画作品での売上です。
ダイレクト・トゥ・コンシューマーは前述の通り、Disney+、Huluなどの動画配信事業が柱の部門です。ESPN+というスポーツ専門の動画配信サービスもあります。

今後の成長のカギはHuluやDisney+などの動画配信事業

Q2はパーク事業で大きな利益下振れとなりました。今日現在、上海以外は休園の状態が続いています。Q3もおそらく利益は大きく落ち込むでしょう。しかし、長期投資の場合、そこはあまり気にしなくていいかと思います。コロナが収束すれば人々はディズニーのテーマパークに足を運ぶでしょう。ディズニーというブランドの力です。
パーク収益が落ち込んでいるので株価もそれなりに下落していますが、私はむしろディズニーにとってコロナ禍のステイホームは追い風になるのではと思っています。
Disney+は昨年11月にサービスが始まったばかりで、今はまだ投資先行の赤字事業です。今はまだオリジナル作品が少なく、コンテンツが充実しているとは言えません。逆に、ほぼ新しいコンテンツがないにも関わらず、5ヶ月で5,000万人の契約者を獲得しました。Q2のダイレクト・トゥ・コンシューマー部門(この長ったらしい呼び名、なんとかならないだろうか•••)の売上は前年同期比で30億ドル増加しました。コンテンツ作成などに巨額の投資をしているので損益は赤字ですが、ほぼ何もないところから30億ドルのキャッシュを生み出したに等しいです。これはかなりすごいことではないかと思います。
しかし、Q3も赤字幅は11億ドルまで拡大する見込みとのことですので、今後数年はしばらく辛抱の期間となるとは思います。ライバルと目しているネットフリックスの全世界契約者数は今回の四半期決算によると1億8,290万人、一方のディズニーはHuluとDisney+を足しても8,000万人強ですので、まだ半分以下。ネットフリックスの背中はまだ遠いです。


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