メタバースを中心の業態へ フェイスブック 決算 Q3

フェイスブック(FB)Q3

決算発表 10月25日
【決算概要】

株価:338.62ドル(11月8日終値)
2020年EPS:10.09ドル
2021年EPS(予):13.93ドル Q2終了時点:10.13ドル

PER(実):33.56倍 益回り:2.98%
PER(予):24.31倍 益回り:4.11%

『メタ』へ社名変更と巨額投資

今回のフェイスブックの決算発表は決算そのものよりも『メタ』への社名変更発表が大きな話題になりました。

社名変更にはいろいろな見方があるようです。

まず、会社の業態を変革する上で象徴的な動きだという素直な見方。

フェイスブックは収益源をフェイスブックやインスタグラムなどからの広告収入に大きく依存しています。

⬆️はフェイスブックの売上高の推移のグラフですが、今期の290.1億ドルの売上高のうち、97%にあたる282.8億ドルは広告からの売上によるものです。

以前から広告への依存はフェイスブックの大きな経営課題のひとつでした。

そこで、広告に依存している利益体質からVR(仮想現実)やAR(拡張現実)という新しい事業分野を開拓して収益源の多角化を図り、その象徴として『メタ』への社名変更を断行したという意見があります。

社名発表後、株価は上昇していますので、市場の大勢は社名変更をポジティブに受け止めています。その大きな理由はこのような業態改革への期待でしょう。

一方、今までの問題から目を逸らすためのパフォーマンスだという厳しい見方もあります。

フェイスブックを巡っては、会社側が若いユーザーのメンタルヘルスに対して自社のプラットフォームが与えている悪影響を把握しながらも対策を取らず、むしろ放置したままユーザー獲得を優先しているといった内容の内部告発があり、議会で公聴会が開かれるなど大きな問題となっています。

以前からアメリカ議会ではGAFAと呼ばれる巨大ハイテク企業に対して代表者を召喚して公聴会が開かれるなど締め付けを強めていますが、フェイスブックは特に情報やコンテンツの管理などを巡って批判にさらされている会社です。

こういった批判の目を逸らす目的で社名変更を行なったのではないかという見方です。

個人的には業態変革への期待はありますが、社名変更による直接的な利益は特にないと思います。

メタバースで利益を上げるために巨額の投資をする必要があるとされています。
会社側は今後メタバースには1兆ドルのビジネスチャンスがるとしつつも、年間100億ドルを投資し、さらに今後数年間は収益を期待できないとしています。

かなりの賭けに出たなという印象ですが、どうなのでしょうか?
今回のザッカーバーグ CEOのプレゼンがYoutubeに上がっていたので載せておきます。

10年後、20年後にこのプレゼンの動画を見返したらどう思うのでしょうか?

ザッカーバーグCEOはVRやARで新たなユーザー体験を実現させる、想像できるほとんどのことがプラットフォーム上で可能になると話していましたが、個人的にはいまいちピンときません。

このビデオの中で示されたサンプルも私の理解の域をはるかに超えてしまっています。70年代のサイケデリックロックのミュージックビデオを見ているようです。

巨額の投資も必要となる上、今後数年は収益が期待できないどころか、本当にその投資が1兆ドルの利益につながるのか、凡人の私には想像すらできません。

ウォーレン・バフェットは『理解できないものには投資するな』と言っています。

このままフェイスブックへの投資を続けていていいものか悩んでいます。


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