決算ミスでネット広告ビジネス全体への不安を煽る結果に アルファベット 決算 Q1

アルファベット(GOOGL)Q1

決算発表 4月26日
【決算概要】

株価:2,178.16ドル(5月20日終値)
2021年EPS:112.20ドル

2022年EPS(予想):111.54ドル
PER(実績):19.41倍 益回り:5.15%
PER(予想):19.53倍 益回り:5.12%
過去10年平均PER:27.00倍 益回り:3.70%

売上高・EPSともに市場予想に届かず

ここ数年は好調な決算が続いていたアルファベットですが、今回は市場の期待を裏切る決算となりました。

アルファベットの主力ブランドであるGoogleのセグメント別売上の内訳は以下の通りです。

売上高成長率が前四半期(2021年Q4)と比較すると低下していることがわかります。

唯一の例外がGoogle Cloudで、こちらは前四半期と同じ水準の成長率を維持できています。

しかし、売上高は急速に成長してきているGoogle Cloudですが、損益ベースではいまだに赤字です。今期は9.3億ドルの赤字でした。まだ事業として投資を続けている段階で、利益を回収する段階には至っていないということです。

今回の決算において、もっとも衝撃的だったのがYouTube広告における売上高の減速です。

売上高の市場予想は75.1億ドルでしたが、68.7億ドルと予想を9%近く下回る結果となりました。

パンデミックの間、YouTubeは大きな成長を遂げました。

私個人としても、YouTubeを見ている時間はコロナ前よりも大きく増えたと思いますし、プロスポーツ選手からお笑い芸人、ジャーナリストなどあらゆる人々がチャンネルを開設してきてコンテンツは非常に充実しています。
急成長の後、その反動が来るのはある意味、健全ですし致し方ないことなのかなと思います。

しかし、YouTubeの成長減速はコロナ収束と経済活動の正常化だけではありません。

TikTokの急成長とシェア獲得が影響を及ぼしているとする指摘があります。

サンダー・ピチャイCEOもカンファレンスコールで、TikTokに対抗するShortsの成長を強調していました。Shortsの1日あたりの視聴回数は300億回で、前期比で2倍、前年比では4倍に成長しているということです。

今回のアルファベットの決算は、アルファベット1社にとどまらず、ネット広告ビジネスへの市場の不信感を大きく煽ることとなりました。
2022年に入ってからリセッション(景気後退)懸念が強くなってきていますが、広告費は真っ先に切られる経費なので景気後退に非常に弱いビジネスです。業績回復には時間がかかる可能性があります。

株価は年初来で-24%と冴えません。
PERは実績、予想ともに20倍を切る水準まで低下してきています。


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