ステイホーム特需は剥落も今後は安定的な成長が望める マコーミック 決算 Q2

マコーミック(MKC)Q2

決算発表 7月1日
【決算概要】

Q2(前年比)市場コンセンサス予想
売上高15.6億ドル(+11.1%)14.7億ドル
営業利益率16.6%(-2.0%<-200bps>)
EPS0.69ドル(-6.8%)0.62ドル

株価:87.10ドル(7月9日終値)
2020年EPS:2.83ドル
2021年EPS(予):3.03ドル
 Q2時点実績EPS:1.41ドル
PER(実):30.78倍 益回り:3.25%
PER(予):28.75倍 益回り:3.48%
過去10年平均PER:23.90倍 益回り:4.18%

ステイホーム特需は剥落

マコーミックは世界でスパイス、シーズニングシェア1位のスパイスメーカーです。

ビジネスセグメントは大きく、一般消費者向けのコンシューマー部門とレストランなどの業務用のフレーバー部門の2つに分かれます。

昨年のQ2(4-6月期)はまさにパンデミックで世界中がロックダウンを強いられた時期で、マコーミックも大きな影響を受けました。

世界各国でステイホームが励行されたことから、人々が自宅で調理する機会が増え、コンシューマー部門には追い風になりました。
一方、レストランやバーなどの外食産業は休業を余儀なくされ、フレーバー部門にとっては逆風でした。コロナ禍においては2つのセグメントの業績はいわばシーソーのような関係性を持つことになりました。

今期の売上高からもその影響は読み取れます。

⬆️は各セグメントの2021年Q2と2020年Q2の売上高を比較した決算資料です。
赤枠で囲った部分が為替の影響を取り除いた売上高比較の数字です。

上段のConsumer Segmentがアジア/パシフィックを除いて軒並み前年比マイナスです。つまり、今年のQ2の売上高が昨年よりも落ちたことを意味します。セグメント全体では前年比4.7%のマイナスでした。

一方、その下のFlavor Solution Segmentでは全地域で軒並み大幅な上昇となっています。経済正常化に伴い、レストランなどが通常営業を再開したことで去年のQ2はまるっと消えてしまった需要が回復したことを意味しています。セグメント全体では前年比34.6%のプラスでした。

一番下段の調整済み営業利益(Adjusted operating income)ではさらにその傾向は顕著です。
Consumer Segmentが前年比25.7%のマイナスだった一方で、Flavor Solution Segmentでは前年比175%のプラスでした。

⬆️はマコーミックのセグメント別の売上高の割合を示したグラフです。

赤い部分のコンシューマー部門の方がフレーバー部門より割合が大きいことがわかります。

結果的に、売上比率の大きいコンシューマーが下がり、フレーバー部門が上がった今期の全体の業績は前年比で若干のマイナスになったということです。

マコーミックはスパイスというニッチな業界で世界的なシェアを占める会社です。グロース株のような爆発的な成長は望めませんが、少しづつコツコツと伸びていく会社だと思います。
今後、経済再開が順調に進めば、マコーミックの業績も安定的に成長していくでしょう。


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