マイクロソフト(MSFT)Q4
決算発表 7月27日
【決算概要】
| Q4(前年比) | 市場コンセンサス予想 |
---|---|---|
売上高 | 461.5億ドル( +21.3%) | 441.0億ドル |
営業利益率 | 41.4%(+6.1%<+610bps>) | – |
EPS | 2.17ドル(+48.6%) | 1.90ドル |
| 2021通期(前年比) | 市場コンセンサス予想 |
---|---|---|
売上高 | 1,680.9億ドル(+17.5%) | 1,661.8億ドル |
営業利益率 | 41.6%(+4.6%<+460bps>) | – |
EPS | 7.97ドル(+38.4%) | 7.77ドル |
株価:284.91ドル(月日終値)
2021年EPS:7.97ドル
2022年EPS(予):8.76ドル
PER(実):35.75倍 益回り:2.80%
PER(予):32.52倍 益回り:3.07%
過去10年平均PER:25.47倍 益回り:3.93%
【2022年Q1ガイダンス】
売上高:433億〜442億ドル 市場予想:439.6億ドル
クラウドが成長を牽引
マイクロソフトはアメリカ企業に珍しく、6月決算の企業です。今回は本決算です。
他のアメリカのハイテク企業同様、コロナ禍でも順調に業績を伸ばしました。株価も順調に推移しています。
まずセグメント別の売上と成長率を見てみましょう。まずはQ4の数字です。
2021 Q4 | 前年同期比 | |
---|---|---|
Productivity and Business Processes | 146.9億ドル | +25.0% |
Intelligent Cloud | 173.8億ドル | +29.9% |
More Personal Computing | 140.9億ドル | +9.1% |
Productivity and Business Processes・・・Word、ExcelなどのOffice製品やLinkedInなど
Intelligent Cloud・・・アジュールなどのクラウドサービスやサーバー向け製品
More Personal Computing・・・WindowsやXboxなどの個人向け製品
2021年通年でのセグメント別売上高と成長率は以下のとおりでした。
FY 2021 | 前年比 | 全体に占める割合 | |
---|---|---|---|
Productivity and Business Processes | 539.2億ドル | +16.2% | 32% |
Intelligent Cloud | 600.8億ドル | +24.2% | 36% |
More Personal Computing | 540.9億ドル | +12.1% | 32% |
やはり成長エンジンはアジュールに代表されるクラウド部門です。兆円単位の売上高のレベルで20%台の成長率を叩き出すというのは
セグメント別の営業利益は以下のとおりです。
FY 2021 | 営業利益率 | 前年比 | 全体に占める割合 | |
---|---|---|---|---|
Productivity and Business Processes | 243.5億ドル | 45.2% | +30.1% | 35% |
Intelligent Cloud | 261.3億ドル | 43.5% | +42.6% | 37% |
More Personal Computing | 194.4億ドル | 35.9% | +22.2% | 28% |
やはりクラウド部門の営業利益率と成長率の高さが目立ちます。
現在、マイクロソフトのPERは実績で35倍、予想PERでも32倍台です。S&P500のPERが20倍前後ですからPERが高い銘柄だと言えると思います。
しかし、2016年ごろまでは16倍から18倍の間で推移していました。PER上昇にはクラウド部門の成長が大きく寄与しています。
クラウド部門は現在では3つのセグメントの中で最も大きな利益を上げるセグメントになり、しかも1年間で40%以上も利益を成長させています。
では、現在のPER32〜35倍という株価水準は妥当なのでしょうか?
答えは5年、10年経たないと誰にもわかりません。今後もこのペースで順調に利益が伸びていけば決して割高ではないかもしれませんが、そうでない場合は過大評価されている可能性もあります。私は過大評価されているリスクがそれなりにあるのではないかと思います。
本決算ですが、2022年の通年のガイダンスは示されませんでした。経営陣がこの先1年間の業績に警戒感を持っているということの表れだと思います。
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