ビザ(V)Q2
決算発表 4月26日
【決算概要】

株価:206.48ドル(5月26日終値)
2021年EPS:5.91ドル
2022年EPS(予):7.15ドル
PER(実):34.94倍 益回り:2.86%
PER(予):28.88倍 益回り:3.46%
過去10年平均PER:31.95倍 益回り:3.13%
足元の業績は好調を維持
売上高、EPSともに市場予想を上回りました。

国境を超えた決済額が引き続き高い伸びを示しています。世界的な旅行需要の回復が主因です。

⬆️はアメリカ国内の決済額の3年前比のグラフです。2021年10月〜2022年4月までの決済額と2018年10月〜2019年4月までの決済額を比較しています。
3年前のデータを使用しているのは、コロナの影響を受ける前の数字と比較するためです。
3年前の数字と比較してもクレジットカードで3割強、デビットカードでは5割強、決済額が増加していることがわかります。
昨年の10月以降というと、アメリカでインフレが顕著になっている時期ですが、ビザの業績にはインフレによる大きな影響はなかったということになります。
目先のリスクはリセッション(景気後退)
インフレを理由に個人が消費を大きく手控えるということは今ところ起こっていません。
しかし、今後もビザの業績見通しは明るいかというと、そう楽観はできません。
もっとも大きなリスクはリセッション(景気後退)です。
2022年年明け以降、株価は軟調な動きとなっています。
S&P500は5月26日終値ベースで年初来15%下落しています。
ビザの株価は直帰の決算が好調だったこともあってS&P500をアウトパフォームしており、年初来-6%ほどです。
株価が下落しているのは景気後退のリスクを市場が意識し始めたからです。
株式市場というのは先々のリスクを株価に織り込んでいく性質があります。
景気後退は現時点ではまだ起こるかどうかわかりませんが、もし景気後退に陥ったら・・・ということを意識して高成長のハイテク銘柄を中心に株価が下落しています。
ビザにとっても景気後退は大きな逆風となります。
もし景気後退が起こっても、人々がまったく消費をストップさせてしまうということはありえません。食料品や必需品をスーパーやディスカウントストアで買うでしょうし、その際、ビザのカードを利用します。
そういった意味でビザはある程度ディフェンシブな性格を持ち合わせています。
しかし、景気後退によって娯楽や贅沢をするような消費は大きく落ちこむでしょう。そういった面からのビザの業績に対する逆風は免れません。回復してきている旅行需要も再び落ち込んでしまうでしょう。
ビザの株価が大きく崩れていないということは、まだまだ市場は景気後退を本気でリスクとして捉えていないということかもしれませんし、景気後退に陥る可能性も現時点ではそこまで高いわけではないということかもしれません。
世界的に経済活動が正常化され、海外旅行の需要も戻りつつあります。
今のところビザの業績は順調に回復してきていますが、今年の後半から来年にかけての経済情勢がこの回復基調が続くかどうかのカギになります。
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