ヴィーヴァ・システムズ(VEEV)Q2
決算発表 9月1日
【決算概要】
Q2(前年比) | 市場コンセンサス予想 | |
---|---|---|
売上高 | 4.56億ドル(+28.8%) | 4.51億ドル |
営業利益率 | 42.1%(+1.3%<+130bps>) | – |
EPS | 0.94ドル(+30.6%) | 0.86ドル |
株価:306.13ドル(9月9日終値)
2021年EPS:2.94ドル
2022年EPS(予):3.58ドル
Q2終了時点:1.84ドル
PER(実):104.13倍 益回り:0.96%
PER(予):85.511倍 益回り:1.17%
【2022年Q3ガイダンス】
売上高:4.64億〜4.66億ドル
市場予想:4.70億ドル
EPS:0.87〜0.88ドル 市場予想:0.88ドル
【2022年ガイダンス】
売上高:18.30億〜18.35億ドル
前回:18.15億〜18.25億ドル
市場予想:18.30億ドル
EPS:3.57ドル 前回:3.49ドル
市場予想:3.58ドル
市場の期待に届かず株価下落
ヴィーヴァ・システムズは製薬会社の営業担当者であるMR(Medical representative)と医師や薬剤師などの医療従事者をつなぐクラウドCRM(Customer Relationship Management)サービスを提供している会社です。
売上はソフトやクラウドサービスのサブスクリプションによる売上と単発のサービス提供による売上の2つに分けられます。
さらにサブスクリプションの製品セグメントは大きく2つに分けられています。
Veeva Commercial Cloud・・・製薬会社向けの顧客管理プラットフォームやクラウドサービスを中心としたセグメント
Veeva Vault・・・Precision Medicine(精密医療)および臨床試験向けのプラットフォームを中心としたセグメント
Veeva Commercial Cloudは製薬会社の営業担当者であるMRとその顧客である医師や薬剤師などをつなぐ顧客管理プラットフォームのVeeva CRM SuiteやクラウドサービスのVeeva Data Cloudなどが含まれます。
一方のVeeva Vaultはオーダーメイド療法とも言われる精密医療(患者個人の細胞を遺伝子レベルで分析し、投薬・治療を行うこと)や臨床試験のデータ管理や文書管理に特化したプラットフォームのVault Clinical Suiteを中心としたセグメントです。
今回の決算内容を見ていきましょう。
前回の決算で示された会社予想は以下の通りでした。
【2022年Q2ガイダンス】
売上高:4.50億〜4.52億ドル
EPS:0.85〜0.86ドル 市場予想:0.80ドル
今回の決算で3ヶ月前に会社側が示したハードルは超えていますし、市場予想も売上高、EPSともに上回っています。
しかし、Q3のガイダンスの売上高や22年通年のEPSなど、弱気な会社予想もありました。
慎重な会社予想が市場の期待に届かなかったことからか、決算発表後は株価は下落しています。

ヴィーヴァに限らず、パンデミックで業績を伸ばしてきたハイテク企業の成長に陰りが見え始めてきています。
コロナの影響で、2020年3月以降の事業を取り巻く環境は今までにないいびつなものであったと言えるでしょう。
多くのハイテク企業が過去1年で急速な成長を遂げましたが、そのうちの一部は需要の先食いの上に成し遂げていた可能性があります。
その場合、相対的に目先の1年の成長鈍化は避けられなくなるでしょう。
過去1年は急成長を遂げてきた会社でも、目先1年も引き続きこれまでの成長が続くと期待するのは楽観的すぎると思います。
ただ、ヴィーヴァの5年、10年での長期での成長に関しては心配していません。
医療とクラウドCRMという専門性の高い組み合わせの業態での優位性は高いものがあると思います。
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