ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)Q2
決算発表 8月31日
【決算概要】
Q2(前年比) | 市場予想 | 会社ガイダンス | |
---|---|---|---|
売上高 | 10.22億ドル(+54.0%) | 9.91億ドル | 9.85億〜9.90億ドル |
営業利益率 | 41.6% (-0.1%<-10bps>) | – | – |
EPS | 1.36ドル(+47.8%) | 1.16ドル | 1.14〜1.15ドル |
株価:295.09ドル(9月2日終値)
2021年EPS:3.34ドル
2022年EPS(予):4.67ドル Q2終了時点:2.67ドル
PER(実):88.35倍 益回り:1.13%
PER(予):63.19倍 益回り:1.58%
【2022年Q3ガイダンス】
売上高:10.15億〜10.20億ドル
市場予想:10.9億万ドル
EPS:1.07〜1.08ドル 市場予想:1.09ドル
【2022年ガイダンス】
売上高:40.05億〜40.15億ドル
前回:39.75億〜39.90億ドル
市場予想:40.1億ドル
EPS:4.75〜4.79ドル
前回:4.56〜4.61ドル
市場予想:4.67ドル
株価15%強の急落
決算発表後、株価は急落しています。

決算の内容自体は売上高、EPSともに前年実績値はもちろん、市場コンセンサス予想も上回るいい内容でした。
では、なぜ株価が急落したのかというと、やはり今後の需要減退が意識されたようです。
来期Q3(8-10月期)のガイダンスの数字を見てみると、売上高予想は市場予想が10.9億ドルに対して、10.15〜10.20億ドル。
市場予想EPSが1.09ドルであるのに対して、ガイダンスで示された数字は1.07〜1.08ドルとわずかに市場予想よりもネガティブなものでした。
今回のガイダンスは結果的にQ3は売上高・EPSともに今期Q2(5-7月期)を下回るという予想を意味することになり、株価急落の一因となった思われます。

⬆️は3年前の19年Q2(つまり2018年5-7月期)以降の売上高の推移です。
毎四半期、一貫して前の四半期を上回り続けてきました。この流れが22年Q3で一旦、落ち着くということになりそうです。
来期の業績次第では、ズームの成長にとって一つの区切りになると言えると思います。
問題はコロナ後、人々はズームを使わなくなるのか?
今回、将来の需要減退が意識されて株価は大きく下げました。
新型コロナのパンデミックが落ち着いたら将来的に人々はズームを使わなくなるのでしょうか?
確かにいわゆる「ズーム飲み会」など、プライベートで利用される頻度は減りそうです。この点は今回のカンファレンスコールでも言及されていました。
長距離の友人や家族とのコミュニケーションに利用されるケースはあると思いますが、パンデミックが収束したあとにわざわざオンラインで飲み会をやるという機会は減るでしょう。
やはり飲み会は同じ空間で話をしながらお酒を楽しむオフラインでの体験にオンラインが勝ることはないと思います。
一方でビジネス面ではどうでしょうか?
コロナ禍の最中ほど頻繁に会議をオンラインで行うということはなくなるかも知れません。
問題はどの程度、Zoomミーティングが残るか、という点です。この点において、マーケットは現状では悲観的ということだと思います。
しかし個人的にはそこまで悲観する必要はないのではないかと思っています。
現在ほど頻繁にオンラインで会議を行わなくなるかも知れませんが、コロナ前のようには戻らないと思います。
コロナ禍によってZoomの一般的な知名度は大きく上昇しました。同時にメリット・デメリットもはっきりしてきたと思います。
オンラインでの会議にはビジネス上、多くのメリットがあります。
移動を伴わないので、交通費と移動時間の節約になりますし、うまく活用すれば生産性の向上にも繋がるでしょう。
一方で、やはり直接会って話す際と同じように相手の人柄も理解できるほどの深い交流は難しいと思います。コロナ後でもここ一番の商談などで、直接会って食事をしながら話す、ということの価値や必要性はなくらないと思います。
これらのメリットとデメリットを勘案しても、今後のズームの将来性は明るいと思います。
メリット・デメリットが一般に深く認知されれば、より効率的にオンラインでの会議を活用する人が増えるでしょう。
9月・10月は例年、株式相場が安いというアノマリーがあります。9月・10月はじっと腰を据えて、割安だと思える局面があれば買い増しも検討していきたいと思います。
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