アメリカ年末商戦はコロナ禍にも関わらず好調

コロナ禍での年末商戦

マスターカードが発表したレポートによると、今年のアメリカ国内の年末商戦はコロナ禍にも関わらず前年比でプラスでした。

前年比結果(カッコ内は例年通りの期間)市場予想
2020年+3%(+2.4%)2.4%
2008年(前回リセッション時)-3.5%

小売売上高は前年比で3%増でした。前回のリセッション時の2008年の年末商戦は前年比で3.5%減であったので、それと比較するとはるかに強い数字だったと言えると思います。

上の表で2020年の欄に+3%と+2.4%の2つの数字があるのは、今年のクリスマス商戦の開始をいつと見るかによって2つの数字が発表されたためです。

今年はコロナ禍でオンライン販売の増加が予想され、年末に注文が集中し対応しきれない事態に備えるため、アマゾンやウォルマートなどで販促期間が例年よりも前倒しされました。

例年であれば、11月1日から12月24日までを年末商戦の期間として集計していますが、今年は10月11日から12月24日までの数字を集計しました。

私は統計の期間変更が必要だったのかいささか懐疑的です。
クリスマスショッピングは習慣です。店側が販促期間を前倒ししても多くの人は今まで通り感謝祭前後に年末のプレゼントの準備をしたのではないかと思います。ただ、例年通り11月1日以降の小売売上高を見ても2.4%増だったのでいずれにせよ、コロナ禍のクリスマスとしては良い数字だったと言えると思います。

アメリカでのクリスマス商戦の経済へのインパクト

私が子供のころ、クリスマスのサンタクロースからのプレゼントは子供1人につき1個でした。私と弟でゲーム機本体とゲームソフト1個を手分けして手に入れた記憶があります。日本の多くの家庭では1人1個というのが常識ではないでしょうか。私の家庭ではそれが常識でしたし、子供の私もその常識を疑うという考えすらありませんでした。

アメリカ人の友人にクリスマスには子供1人で4〜5個のプレゼントをもらっていたと聞いたときは非常に驚きました。プレゼントを置く場所も枕元ではなく、リビングのクリスマスツリーの下や壁にかけている靴下の中です。
⬇️アメリカの家庭のクリスマスの朝の風景はこんなかんじでしょうか。

我慢や辛抱を教える教育的観点からは日本のように1人につきプレゼント1個のほうが良いかもしれませんが、国の経済にはもちろん、プレゼントは多い方が良いに決まっています。

さらにアメリカでは成人した親子や兄弟間、友人同士でもプレゼントの交換をすることがよくあります。プレゼントの数が多い分、それだけクリスマス商戦はアメリカ経済にとってインパクトが大きいということです。

オンラインショッピングは2021年は苦戦する

今回、コロナウィルスの感染再拡大の時期とちょうど重なってしまったため、オンラインでの売上高が前年比で49%と大幅に増加しました。

クリスマス商戦に限らず、今年はオンラインショッピングが年を通じて好調な1年でした。
来年の前半はおそらくコロナの社会への影響が残っており、オンラインショッピングは引き続き好調でしょう。ただ、想定どおりにワクチンが普及し、社会生活が通常に戻れば、オンラインショッピングには3つの試練が待ち受けている可能性があります。

  1. オンラインから実店舗への回帰
  2. モノ消費からコト消費へのシフト
  3. 非常に高い前年の業績ハードル

コロナが収束すれば、オンラインから実店舗への回帰が起こる可能性があります。オンラインから実店舗というシフトだけでなく、モノ消費から旅行などのコト消費というシフトも起こるかもしれません。さらに前年比で急成長した今年の実績が大きな壁として立ちはだかり、アマゾン(AMZN)などコロナ禍で恩恵を受けた企業の業績は前年比割れが続出する可能性もあります。

コロナ禍を追い風にしてきたオンラインショッピング関連の企業にとって2021年は受難の年になる可能性があります。


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