アメリカ株はバブルなのか? 上昇を続ける相場とロビンフッド

コロナショックからの急回復

以前から何度もブログでも書いてきたとおり、私は3月、4月の急落局面でうまく相場に乗れませんでした。急落局面で買えたのはディズニー(DIS)1銘柄とGMOクリック証券の米国500CFDのみです。新型コロナウィルスの影響は長引くだろうし、大統領選挙も見通せないから急回復することはないだろうと思っていましたが、あれよあれよという間にS&P500は急落前の水準を回復し、最近は史上最高値を更新しています。コロナショックでは下落局面で安く買うということがいかに難しいことか思い知らされました。今、同じような感情を抱いている個人投資家は少なくないと思います。

アメリカ株の上昇と金融政策

まずは現在のアメリカの株式相場の立ち位置を確認しておきたいと思います。

S&P500の直近1年間の株価推移です。年初来のパフォーマンスは約+8%、3月の底値からのパフォーマンスは50%を超えます。文字どおりのV字回復です。

S&P500の直近12ヶ月のEPSをもとにしたPERは約36倍、向こう12ヶ月の予想EPSをもとにした予想PERは約27倍です。ちなみにS&P500以上に過熱感が指摘されているNASDAQの直近12ヶ月EPSでの実績PERは約38倍、向こう12ヶ月の予想PERは約34倍です。

出典:ファクトセット

S&P 500のEPSの予想推移です。20年Q2を底にV字回復を市場は見込んでいます。10月に発表されるQ3の決算がひとつの試金石になるかと思います。

今の相場は金融相場だという指摘があります。FRBは3月に金利の引き下げと、ジャンク債を含む公債・社債の買い付けによる量的緩和を断行しました。市場にジャブジャブとお金を投入しています。さらに先週、パウエルFRB議長は講演で、インフレ率が2%を上回ったとしても当面は容認すると発言しました。インフレ率がたとえ2%を超えたとしてもすぐに利上げには動かず、ゼロ金利を維持するということです。
企業業績は悪化していますから、金融政策に理由を求めなくては今の株高は説明できないと思います。

ロビンフッドの利用者急増

最近、ロビンフッドという言葉をアメリカ経済に関する報道でよく目にします。
ロビンフッドは口座開設・取引手数料無料の取引アプリです。新型コロナウィルスによる株価下落とステイホームで利用者が急増しました。主な利用者は20代、30代のいわゆるミレニアル世代です。1988年生まれの私もミレニアル世代にあたります。

このアプリでは1株未満の少額でも株の取引ができます。報道によれば、利用者のほとんどは1日で売買を繰り返すデイトレードや数日で売買するスイングトレードなどの短期売買だということです。

アメリカは上位10%の資産家が国内家計資産の70%を占めていると言われる格差社会です。さらに上位1%は国内の30%の資産を所有しています。ロビンフッドの創業者はお金のない人にも株式投資ができる手段を作って金融の自由化に貢献したいという思いからアプリを開発したということです。格差社会の解消をという思いが結果的にマネーゲームを助長しているというのは皮肉なことです。

アメリカ株はバブルなのか?

では、アメリカ株はバブルなのか?と問われれば、私はまだ、バブルといえる水準ではないと思います。しかし、バブルの入り口に差し掛かってきている可能性はあると思います。

日本が狂乱した80年代のバブルのとき、日本株のPERは80倍を超えました。80倍ってすごい数字です。株式益回りに換算するとわずか1.3%です。100万円投資したとすると、その100万円が1年間で生み出す利益はわずか1万3,000円です。とても投資を検討できる株価水準ではありません。

先ほど触れたように、現在のアメリカ株のPER実績で36倍、予想では27倍です。歴史的にみて高値水準であることは間違いありませんが、バブルといえる水準ほどまでは上昇していないと思います。

私は誕生とほぼ同時にバブルが崩壊した世代なので、バブル経済の肌感覚を身をもって体験したわけではありませんが、バブルは崩壊して初めてバブルだったと気づくといいます。
まだバブルじゃない!と多くの人が言っていても、崩壊してから「あ、あれはバブルだったんだ」と気づくということです。今はまだバブルの水準ではないと言った上で矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、すでにバブルの真っ只中にある可能性は十分にあります。

投資家は、宴に長居し続けると、つまり将来生み出す利益に対して過大評価されている会社に投機を続けると、魔法が解けて馬車がカボチャとネズミに戻ってしまうと知っている。
それにもかかわらず、みんな1分でもパーティでの時間を逃すことを嫌がる。軽薄な投資家たちは魔法が解ける深夜0時の数秒前に出ようと企んでいるが、問題がひとつある。みんな時計を持たずに踊っているのだ。

ウォーレン・バフェット

バフェットはバブルをシンデレラの舞踏会にたとえています。
市場全体が楽観に傾いている、陶酔していて気持ちがいい状態のとき、その相場の状態を的確に認識できる人はそういません。バフェットが言うように皆、株価の上昇に酔いしれて踊っていますが、深夜0時を迎えて魔法がとけるのが明日なのか、1年後なのか5年後なのかを示してくれる時計はありません。