2つの予想外
アメリカ大統領選挙の大勢が判明してきました。
私はNBC、ABC、FOX NEWSの3つのテレビ局の速報ページを随時見ていました。FOXはトランプ大統領が日頃から見ている共和党寄りのテレビ局で、NBC、ABCはトランプ政権に批判的なテレビ局です。ちなみにABCはディズニー傘下です。
当選確実を出すのが拙速すぎるという批判もあるようですが、FOXが当選確実が出るタイミングが他の局よりも一番早かったのでFOXのサイトを一番よく見ていました。
⬆️のスクリーンショットはFOX NEWSから引用したものです。FOXの速報によると、バイデン氏があと1州でも勝利を確実にすれば大統領に当選します。NBC、ABCはアリゾナ州のバイデン氏勝利を確実とはまだしていません。トランプ政権寄りのFOXの速報がバイデン大統領実現にいちばん近い結果を示しているというのは何とも皮肉なことです。一部報道によるとトランプ大統領はFOXの報道姿勢に激怒したという話もあります。
今回、2つの予想外がありました。
1つ目は事前の世論調査に反する接戦になったことです。
バイデン優勢が伝えられていた中で、史上まれにみる接戦になりました。世論調査なんて信用していなかったから予想外でも何でもないとか、±4%程度は誤差のうちなので世論調査も大枠としては外れていたわけでないなど、いろいろな意見があるようですが、アメリカメディアは選挙前の世論報道を見直す必要はあるのかなと思います。
個人的にはネバダが勝敗のゆくえを左右する州になるとは思ってもみませんでした。小さな予想外です。
2つ目の予想外は株式市場が非常に強いことです。
昨日もS&P500指数は2%以上上昇しました。10月30日の安値からは3日間で6%以上上昇したことになります。
こちらも例年、大統領選直前から株価は上昇する傾向にあるから意外でも何でもないと考える人もいるかもしれませんが、先月30日までの調整から相場の雰囲気が一変したことは間違いないと思います。
まだ何があるかわからない
バイデン氏勝利が濃厚になっていますが、これで大統領選通過、年末に向けて相場は上目線かというとそうとも言い切れないと思います。
昨日示した3つのシナリオのうち、①のどちらかの勝利が確定し、負けた候補が敗北宣言というようにはどうもなりそうにありません。
バイデン陣営はあと1州の勝利が確定次第、勝利宣言をする見通しですが、トランプ陣営が敗北宣言をする気配はありません。むしろ不正選挙を訴えて裁判を起こす動きを見せています。
すると昨日示したシナリオのうち②のバイデン氏勝利宣言➡️トランプ氏敗北宣言せず法廷闘争へというシナリオが現実味を帯びてきます。そうなった場合、司法の判断のゆくえと12月8日までに選挙人を確定できるかが焦点になってきます。
もし裁判所が票の再集計を命じたりするとマーケットは嫌気するでしょうし、何よりもゴタゴタが収まるまでは追加の経済対策の進展は期待できません。1月まではトランプ政権が続きますから、政権交代までは棚上げになる恐れもあります。
選挙通過を好感して株価が上昇していると分析されていますが、トランプ大統領もバイデン氏も法廷闘争にかかりっきりになれば政治空白は免れません。選挙が終わっていないも同然です。
先行き不透明な時こそ長期投資＆積立投資の強みを生かしましょう
とは言っても現に株価は上昇しています。勢いもあります。このまま年末の株高に突入していく可能性もあります。相場のゆくえはどうなるか予想できません。
こんな先行き不透明な時こそ、長期投資＆積立投資の強みを生かしましょう。
まずは冷静になることです。売買を焦って相場に飛び乗ったりしないことです。長期投資の場合、すべての物事の見通しがクリアになってからアクションを起こしても遅すぎることはありません。
株式投資に見送り三振はない
ウォーレン・バフェット
自分が納得できるボールが来るまで何球でも見送ってじっくり待てばいいのです。
そんなときに積立投資は精神安定剤的な役割を担ってくれます。
普段から少しづつ積立をしているのだから、少なくとも株価が予想外に急上昇したとしても過去に積み立てた資産によって上昇の恩恵に預かることができます。焦って今から新規でポジションを取る必要はないのです。
選挙の混乱が起こるからこの先1ヶ月で絶対に株価の急落が起こるに違いない、とか、年末は例年上昇相場なのだからこれから一気に上昇するに違いない、などと決めてかかることは愚の骨頂です。相場は予測不能＆自分の思っている通りにはならないと冷静に謙虚に日々の動きを追っていって、自分が納得できるタイミングがきたときに投資をすればいいと思います。
目先の1ヶ月は何が起こるか予測不能です。焦ることなく冷静に腰を据えてじっと好機を待ちたいと思います。
名前：夏山繁樹
最近のコメント