コカ・コーラ(KO)Q2
決算発表 7月21日
【決算概要】
Q2(前年比) | 市場コンセンサス予想 | |
売上高 | 71.5億ドル(-28%) | 71.8億ドル |
EPS | 0.42ドル(-33%) | 0.4ドル |
株価:47.20(7月21日終値)
2019年度EPS:2.11ドル
2020年度EPS(予):1.83ドル
PER(実):22.37倍 益回り:4.5%
PER(予):25.79倍 益回り:3.9%
過去10年平均PER:20.20倍 益回り:5.0%
最悪期は乗り切った
先日、ペプシコ(PEP)の決算がありましたが、コカ・コーラも同じような状況です。
・ロックダウンで在宅需要は増、レストラン向けなど外出先での需要減
・ネガティブな影響がポジティブな影響を上回り、Q2全体としては業績悪化
・ロックダウン解除を受けて今後、業績は回復する見通し
先日、PEPの決算の記事でPEPの主力はペプシコーラなどのビバレッジではなく、フード事業だということをご紹介しました。
一方のKOはビバレッジ1本です。

Sparkiling Soft Drinkというのがコカ・コーラやスプライトといったソフトドリンク類で売上の半数以上を占めます。PEPの決算でビバレッジ事業の方がフード事業よりコロナのダメージが大きいと説明がありましたが、PEPよりもKOのほうが3月以降の株価の落ち込みが大きい理由はセグメントによる影響が大きいと思います。
2020年全体の業績見通しでは具体的な数字は示されませんでした。KOやPEPのような消費者ビジネスは今後のコロナウィルスの感染状況次第で上にも下にもブレる可能性があるので、経営陣だけでなく、アナリスト、機関投資家含めて業績見通しを立てることは難しいでしょう。
EPSが予想を上回ったことで昨日、株価は2%以上上昇しました。6月から7月始めの販売数量の回復に注目されて株価が上昇したという見立てがあるようですが、果たしでどうなのでしょうか?
一般的に株式市場は不透明性を嫌います。良くなるか悪くなるかわからない状況では通常、リスクオフで株が売られて見通しがはっきりしてくると株価が回復してくるというのが一般的な株価の動きです。コロナの影響を受けにくい業種が多いNASDAQが上昇しているのは理解できるのですが、ここ数週間の株価上昇は少し不気味な気がしなくもないです。
一方で、強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つという格言があります。今後、もしコロナウィルスの感染が経済にさらなる悪影響を与える前にワクチンや治療薬が開発されれば、懐疑の中で育った強気相場は楽観の中で成熟していくことになるかもしれません。
本来、KOやPEPなどの食品株はディフェンシブ銘柄とされているので経済危機などの景気後退局面では強いはずですが、Q2のコロナの影響はこの2社の決算を見ても、本当に今までにない特殊な状況だったのだと認識させられます。
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