私たちの生活を変えたインターネット
現代を生きる人々の多くにいえることだと思いますが、インターネットのない生活はもはや考えられないと思います。特に今年の新型コロナウィルスはその傾向を助長させました。
私が読んだ投資本のなかに非常に有名な本ですが、『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』という本があります。
私は今では投資判断を下す際にこの本の主張に沿っている部分と沿っていない部分がありますが、投資判断をする過程がモデルケースで示されていて、非常にわかりやすく良い本だと思います。
本書の英語版の初版が出版されたのは1994年です。
本の中で個別銘柄の情報収集をする際に、各企業の年次レポートと決算書を確認することを勧めていますが、その際資料を取り寄せる方法のひとつとして、各企業に電話すれば資料を郵送してもらえる、といったことが書かれています。
本書にはインターネットでの情報収集の方法についても書かれているので改訂ごとにそういった部分は追記・修正されてきたのでしょう。今では上場企業であれば年次レポートや決算資料は公式HPで見ることができます。文字資料だけでなく、カンファレンスコールや、日本企業であれば決算説明会の動画を配信している企業もあります。当たり前ですが、インターネットが普及する前までは決算資料などは電話して送ってもらわなければ手に入れることができませんでした。日本国内からアメリカ企業の資料を取り寄せるのはほぼ不可能に近いことだったと思います。
情報収集だけでなく、そもそもインターネットがなければ日本から手軽で安価にアメリカ株に投資することは不可能だったでしょう。インターネットの普及以前に日本の証券会社がアメリカ株を扱っていたかどうかは知りませんが、情報量が圧倒的に少なく難しいことであったことに間違いはないと思います。
日本に住むことのメリット
『世界で住みやすい都市ランキング』というものがニュースになることがあります。2019年版のトップ10は以下の通りです。
順位 | 都市名(国名) |
---|---|
1 | ウィーン(オーストリア) |
2 | メルボルン(オーストラリア) |
3 | シドニー(オーストラリア) |
4 | 大阪(日本) |
5 | カルガリー(カナダ) |
6 | バンクーバー(カナダ) |
7T | 東京(日本) |
7T | トロント(カナダ) |
9 | コペンハーゲン(デンマーク) |
10 | アデレード(オーストラリア) |
イギリスの経済誌『エコノミスト』による調査結果で、以下の5つの基準で評価したものです。
- 安定性(犯罪発生率、武力紛争の脅威など)
- ヘルスケア(医療体制の充実度など)
- 教育
- インフラ
- 文化・環境(気候や汚職の度合いなど)
ランクインしている東京・大阪ともに安定性、ヘルスケア、教育の3部門は100点満点でした。
一方、文化・環境は東京が94.4、大阪が93.5と他の都市と比べると低くなっています。文化・環境のなかにもしかするとどの程度英語が通じるかが加味されているかもしれません。英語圏の人に限らず、外国人が他国で生活するうえで英語が通じるかどうかは、利便性・安全面の上で大きな要素のひとつだと思います。
アジアからは大阪・東京のみで英語圏の都市が多く占めるのもそのためなのかなと思います。ウィーンは行ったことがありますが、生活する上で英語が話せれば不便はありませんでした。デンマークやスカンジナビア半島諸国の北欧は英語圏並みに英語が通じると聞いたことがあります。フィンランドにフィン語を学ぶために留学している人から、英語が通じるので語学留学している意味があまりないと冗談気味に話しているのを聞かされたことがあります。
私は日本に住む上で享受しているメリットは安全面とインフラ面、そしてサービスの質が大きいと思います。
世界一周をしたときに骨身に染みて感じたのは日本は本当に安全だということです。日本では深夜に外出して危険を感じることはまずありません。女性でも深夜に一人で安心して出歩くことができます。人混みの中でもスリや置き引き、ひったくりにつねに警戒する必要はありません。
インフラ面では公共交通機関は分単位で正確に動いていますし、水道水は安心して飲めるし、停電も大きな災害時以外はほとんどありません。最近、ボストン郊外出身の友人から聞かされて知ったのですが、アメリカでは今でもたまに落雷等で数時間停電することがあるそうです。
サービスは言わずもがなといったところでしょうか。お店やレストランだけではなく、役所などの行政機関でもサービスの質は非常に高くとても親切です。
もちろん通勤ラッシュの過酷さ、労働環境や社会的なデジタル化の遅れなど日本社会にも課題は多くあります。しかし世界でも有数の住みやすい都市だということには間違いありません。
日本に住んでいると当たり前に感じてしまうかもしれませんが、その当たり前は非常に成熟した社会の仕組みや多くの人々の努力の上に成り立っているということです。
インターネットが持たらした日本に住みながらアメリカ株に投資するという組み合わせ
上の世界の住みやすい街ランキングにアメリカの都市はひとつも入っていません。やはり安全面とヘルスケア、インフラ面ではランキング内の都市に見劣るということだと思います。
インターネットの普及で日本で住みやすい環境や良質なサービスを享受しながら今後も大きな成長が期待できるアメリカ株に投資できるということが可能になりました。
生活の質というのは感覚的な面が大きく、お金に置き換えるのが難しいと思います。ニューヨークやロンドンは東京よりも物価が高く、金銭面では東京よりも多くのコストがかかりますが、それが生活の質に必ずしも結びつくわけではありません。
お金に置き換えるのはなかなか難しいと思いますが、日本に住むことで豊かな生活を享受し、アメリカ株のリターンも享受できるというのはなかなか素晴らしいことだと思います。
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