これまでグロース株銘柄にはあまり投資してこなかったが・・・
私は普段、グロース株かバリュー株かということはあまり意識せずに投資してきました。
投資の判断基準は
- 経済的な濠(ワイドモート)を有していること
- 利益を出していること(赤字ではない)
以上の2点が最低条件です。
ですから、世間一般ではグロース株に分類されるアルファベット(GOOGL)やフェイスブック(FB)に投資している一方で、バリュー株に分類されるジョンソン&ジョンソン(JNJ)にも投資しています。
先日、グッドアールエックス(GDRX)という会社に投資をしました。
さらに現在、ロイヤリティファーマ(RPRX)やズームビデオ(ZM)、ヴィーバ・システムズ(VEEV)、ルート(ROOT)といった近年IPOした銘柄への投資を検討しています。ロイヤリティファーマはグロース株とは言えないかもしれませんが、それ以外はPERが高めの(つまり投資家が現在の利益より将来の利益を期待して投資している)いわゆるグロース株です。
まだ検討段階なので挙げたすべての銘柄に投資するわけではありませんが、いくつかには近々、投資することになるかと思います。
私は投資期間を最低10年と考えて銘柄を購入しています。アメリカ株の個別株投資は2018年に始めて、現在まで9銘柄に投資してきましたが、まだ一度も売ったことはありません。
2000年当時と現在の世界の時価総額ランキング上位20社
そこで今から20年前というのはどういう市場環境だったのだろうと思い、2000年当時の世界の時価総額ランキング上位20社を調べてみました。
順位 | 会社名 | 時価総額 | 国 |
---|---|---|---|
1 | ゼネラル・エレクトリック(GE) | 4774億ドル | アメリカ |
2 | シスコ・システムズ(CSCO) | 3046億ドル | アメリカ |
3 | エクソン・モービル(XOM) | 2863億ドル | アメリカ |
4 | ファイザー(PFE) | 2639億ドル | アメリカ |
5 | マイクロソフト(MSFT) | 2584億ドル | アメリカ |
6 | ウォルマート(WMT) | 2509億ドル | アメリカ |
7 | シティ・グループ(C) | 2501億ドル | アメリカ |
8 | ボーダフォン | 2271億ドル | イギリス |
9 | インテル(INTC) | 2270億ドル | アメリカ |
10 | ロイヤル・ダッチ・シェル | 2063億ドル | オランダ |
11 | アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) | 2060億ドル | アメリカ |
12 | ノキア | 1974億ドル | フィンランド |
13 | メルク(MRK) | 1957億ドル | アメリカ |
14 | オラクル(ORCL) | 1822億ドル | アメリカ |
15 | BP | 1780億ドル | イギリス |
16 | NTTドコモ | 1754億ドル | 日本 |
17 | SBCコミュニケーションズ(現:AT&T) | 1748億ドル | アメリカ |
18 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM) | 1640億ドル | アメリカ |
19 | グラクソスミスクライン | 1604億ドル | イギリス |
20 | EMC(現:デル) | 1559億ドル | アメリカ |
当時はスマートフォンはもちろん、SNSもない時代でした。ITバブル真っ只中、アップルが初代iMacをヒットさせた時期です。

当時のアップルは熱狂的なファンはいるが、玄人向けで、全体のシェアは低いパソコンメーカーといった程度の印象の会社だったと思います。時価総額上位20位はおろか、500位以内にも入っていません。
日本企業では唯一、NTTドコモがランクインしていました。iモード全盛の時代ですね。先日、会社の若い子にiモードの話をしたら知らなくてジェネレーションギャップを感じました。
閑話休題、今日(2021年1月17日)現在の世界の時価総額トップ20社は以下のとおりです。
順位 | 会社名 | 時価総額 | 国 |
---|---|---|---|
1 | アップル(AAPL) | 2兆1390億ドル | アメリカ |
2 | サウジアラムコ | 2兆520億ドル | サウジアラビア |
3 | マイクロソフト(MSFT) | 1兆6080億ドル | アメリカ |
4 | アマゾン(AMZN) | 1兆5580億ドル | アメリカ |
5 | アルファベット(GOOGL、GOOG) | 1兆1710億ドル | アメリカ |
6 | テンセント・ホールディングス | 7973億ドル | 中国 |
7 | テスラ(TSLA) | 7831億ドル | アメリカ |
8 | フェイスブック(FB) | 7159億ドル | アメリカ |
9 | アリババ | 6728億ドル | 中国 |
10 | 台湾セミコンダクター | 5556億ドル | 台湾 |
11 | バークシャー・ハサウェイ(BRK-A、BRK-B) | 5475億ドル | アメリカ |
12 | サムスン電子 | 5207億ドル | 韓国 |
13 | ビザ(V) | 4443億ドル | アメリカ |
14 | JPモルガン・チェース(JPM) | 4226億ドル | アメリカ |
15 | ジョンソン&ジョンソン(JNJ) | 4219億ドル | アメリカ |
16 | ウォルマート(WMT) | 4092億ドル | アメリカ |
17 | 貴州茅台酒 | 3911億ドル | 中国 |
18 | プロクター&ギャンブル(PG) | 3342億ドル | アメリカ |
19 | ユナイテッドヘルス・グループ(UNH) | 3333億ドル | アメリカ |
20 | ネスレ | 3270億ドル | スイス |
社名が赤字の会社は2000年のランキングでもトップ20に入っていた会社です。ウォルマートとマイクロソフトの2社のみです。
JPモルガンやプロクター&ギャンブル、ジョンソン&ジョンソンは長いこと上位には入っていそうなイメージを持っていたので2000年の時点でランクインしていないのは少し意外でした。2000年の時点でJPモルガンは32位、ジョンソン&ジョンソンは24位、P&Gは41位でした。
では、ウォルマートとマイクロソフト以外の2000年時点で上位20社に入っていた会社は現在どうなっているのでしょうか。
このブログはアメリカ株投資のブログなのでアメリカ以外の国の企業は省略しました。また、EMCとSBCコミュニケーションズも吸収合併されていて直接比較が難しいので省略しました。
会社名 | 順位 (2000年) | 順位 (現在) | 時価総額 (2000年) | 時価総額 (現在) |
---|---|---|---|---|
ゼネラル・エレクトリック(GE) | 1 | 100位圏外 | 4774億ドル | 992億ドル |
シスコ・システムズ(CSCO) | 2 | 55 | 3046億ドル | 1916億ドル |
エクソン・モービル(XOM) | 3 | 45 | 2863億ドル | 2024億ドル |
ファイザー(PFE) | 4 | 44 | 2639億ドル | 2039億ドル |
シティ・グループ(C) | 7 | 93 | 2501億ドル | 1337億ドル |
インテル(INTC) | 9 | 32 | 2270億ドル | 2359億ドル |
アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) | 11 | 100位圏外 | 2060億ドル | 356億ドル |
メルク(MRK) | 13 | 40 | 1957億ドル | 2109億ドル |
オラクル(ORCL) | 14 | 56 | 1822億ドル | 1860億ドル |
インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM) | 18 | 100位圏外 | 1640億ドル | 1144億ドル |
時価総額の絶対値が大幅に下がってしまっている会社も多数あります。特に1位だったGEが現在は100位圏外というのはかなりシビアな現実だと思います。時価総額も5分の1ほどになってしまっています。
20位以下に落ちてしまった会社のなかで、最も上位に残っているインテルでも32位、時価総額はほぼ横ばいです。
時価総額の変化率=株式のパフォーマンスとは限りません。時価総額が横ばいでも自社株買いで発行株式数が減っていれば株価は上昇しますし、逆に公募増資などで発行株式数が増えていれば株価は下落します。
しかし、とは言っても時価総額が大幅に下がってしまうと株式のパフォーマンスにとっては厳しいものがあるでしょう。時価総額が大きく低下してしまったGEやシスコやシティ、AIGやIBMといった銘柄の過去20年のパフォーマンスは悲惨なものです。例えばGEの株価は2000年の高値と比較すると現在は-77%の水準、AIGは-98%です。株式投資の恐ろしさを教えてくれる生の教材だと思います。
20年後はどうなっているか
20年後の2040年のランキングがどのようになっているか予想するのは難しいと思います。アップル、アマゾン、アルファベット、フェイスブック、マイクロソフトなどの巨大ハイテク企業は上位に残っていそうな気もしますが、どうなるかはわかりません。2000年当時に現在のGEの姿を多くの人が予想できなかったように、巨大ハイテク企業でも20年後には大きく時価総額を落としてしまっている可能性はあります。
20年という期間はランキング上位20社中18社を入れ替えるほどの長い年月です。今、上位に入っているからといってこの先20年も安泰とは限りません。
一方、それだけアメリカの経済は新陳代謝がよく、今は小さな会社でも20年後には世界有数の会社に成長できるチャンスがあるということも言えると思います。こういった事情もあり、最近はグロース株へ関心が移りつつあります。
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