つみたて投資は精神安定剤的な役割を果たしてくれる

アメリカ株に投資している人たちはみんな注目している月1 回の恒例イベント、雇用統計の発表が5日ありました。

【5月雇用統計 結果】
非農業部門新規雇用者数 250万人増(コンセンサス予想-750万人)
失業率 13.3%(前月比-1.4%)

まさかまさかの新規雇用者数が増加でした。失業率も4月から1.4%改善。
マーケットは素直に好感し、S&P500は一時、節目の3200台を回復しました。これで3月の底値からの上昇率は40%を超えました。

以前、「マーケットは少し楽天的すぎるのでは?」という記事を書きました。

昨日の大幅上昇でマーケットは本格的に経済活動再開、ロックダウンからのV字回復相場に完全に舵を切った可能性があります。二番底を期待して空売りを仕掛けていたヘッジファンド勢から買い戻しが入ったとの観測もありました。

このままV字回復で早ければ年内には市場最高値更新!かどうかなんてわかりません

相場の予想はしないことにしてます。あれこれ考えはします。本音ではまだ完全な強気のブル相場入りには懐疑的です。

出典:The New York Times

雇用統計の結果を報道するニューヨークタイムズの記事にあったグラフです。今回のコロナがアメリカの雇用にいかに大きな影響を与えたかがわかるグラフだと思います。
2010年9月から毎月積み上げてきた雇用が2020年3月と4月の2ヶ月で消えてしまいました。2,000万もの雇用が2ヶ月で失われました。5月、プラスに転じたとはいえ、わずか250万人です。約8分の1です。グラフで見ればわずかなリバウンドにすぎません。ニューヨークタイムズの記事は「一時離職していた労働者が5月に呼び戻された」として本格的な経済回復には時間がかかるとしています。
また、理由不明の一時休職者が4月、5月は相当数おり、その扱いによって失業率は変わってくるという声もあるようです。アメリカのサービス業は基本的に2週間ごとのシフト制で給与も2週間分にわけて毎月2回支払われることが一般的です。とりあえずロックダウン中はお店を開けられないので、休職扱いになっている人が相当数いるようですが、そういった人々が失業者にカウントされていないという指摘です。

トランプ大統領は「雇用が戻ってきた。世界のどこよりも素晴らしい経済状態へと復元するだろう」と自画自賛の上、楽観的な発言をしています。トランプ政権はさらなる経済対策として大型減税を検討しています。今のマーケットの流れからすると、減税が決まればさらなる一段高になりそうです。アメリカでは大統領選挙が今年11月にあります。再選を狙うトランプ大統領はそれまでになんとしてでも株価を上昇させて「経済を短期間で回復させた」という目に見える実績を作っておきたいと考えているようです。

つみたて投資は精神安定剤的な役割を果たしてくれる

私が昔、FXで大負けしたことがあることは自己紹介の記事で書きましたが、当時、マーケットが気になって夜中に目が覚めてスマホで相場を確認したことがあります。
どうしても株式取引やFXをやっていると、株価や為替相場が気になります。夜、相場が気になって眠れなかったという経験をしたことのある方は少なくないと思います。最近3ヶ月のようにボラティリティの高い相場なら尚更です。「2月の高値の時に売っておけば良かった」、「3月末の底値で買いそびれてしまった」という思いでいる個人投資家は少なくないと思います。私も3月の底値をつけたあたりではまだ下がると読んでいて動かず、個別銘柄は買いのチャンスを逃したと思っています。
そういう時に、つみたて投資は精神安定剤な役割を果たしてくれます。私は現在、つみたてNISAで毎週、同じ額のS&P500の投資信託を買い付けていますが、もちろん、コロナの影響で株価が暴落していた中でもコンスタントに買い付けていました。個別銘柄は買い逃したけど、まぁ積立で拾えてるからよしとするかという妥協ができるのです。
自分でストーリーを立てて、「こんなに雇用情勢が悪いのだから二番底が絶対くるはず」などとそのストーリーに固執することは愚かなことだと思います。マーケットは往々にして自分の願っている通りに動かないことの方が多いです。株価に踊らされず、一喜一憂せずにターゲットとしている企業が買えると思う水準まで下がってきたら買う、それ以外の局面は淡々と積み立てていくという戦略を大事にしていきたいと思います。