外貨建てCFDには為替リスクがない(!)件について問い合わせてみた(GMOクリック証券)

年初来で30円円安に

まもなく9月も終わりますが、今年は円安が大きく進行しました。

年初には115円台でしたが、9ヶ月のあいだに30円円安が進みました。

先日記事に書いたように、私は8月30日にS&P500とNASDAQ100のCFD(差金決済取引)でショートポジションを建てました。
今まで長期での買いポジションをホールドしてきましたが、初めて短期でのポジションを取ってみることにしました。

今回、短期でのポジションを取ったことでCFDの仕組みを誤解していた部分があったことが判明したのでそのことについて書いてみようと思います。

CFDの損益算出方法について

私が誤解していたのはCFDの損益算出方法についてです。

通常、ドル建ての現物の株を買う場合、買った時と売った時の為替の差額が損益に影響を及ぼします。
買った場合は以下のような計算式で損益が計算されます。

売値(ドル)×売った時の為替レートー買値(ドル)×買った時の為替レート=損益

株価(ドル)に為替レートをかけて円換算の株価を算出し、その差額が損益になります。
株価が下落したとしても、為替レートが円安に振れていれば、為替差益が株価下落による損失分をカバーできる場合があります。逆に株価が上昇していても、円高に振れていれば、株価上昇の利益を為替差損が打ち消してしまう場合もあります。

今回、私がCFDでショートポジションを取ったのは8月30日です。

ポジションを建てた当時のS&P500の株価は4,062、一方で9月27日の終値は3,647でしたので、これまでのあいだにおよそ10%下落したことになります。

先ほど挙げた計算式の例として、8月30日のS&P500の株価と為替レートで円建てでの資産評価額を計算してみたいと思います。8月30日時点のそれぞれの数字は以下の通りです(簡略化のため株価は小数点以下、為替レートは銭の位を切り上げ・切り捨てしています)。

株価=4,062
1ドル=138.40円

すると、建てたポジションの円での資産価値は以下のように計算できます。

4,062 × 138.40 = 562,181円

一方、現在の株価と為替レートでは以下のようになっています。

株価=3,647
1ドル=144.30円

3,647 × 144.30 = 526,262円

するとショートポジションの差益は35,919円で、下落率は約6%です。

お気づきでしょうか?
そうです、為替レートが大きく円安に振れたことによって為替差損が発生し、利益の一部が食われてしまっているのです。

あちゃー、やっちまったなと思い、GMOクリック証券の建玉のページで損益を確認してみました。

8月30日に建てたポジションは赤枠の中です。

あれ?
しっかり10%分の利益が出ている・・・。

これがCFDの計算方法についての私の誤解です。

実は、CFDの損益の計算方法には違う式が適用されています。
GMOクリック証券のウェブサイトには以下のように書かれています。

株価の差額を出してから、そこに為替レートをかけています。

ということは、
ポジションを建てた時の為替レートは損益に影響を与えないということになります。

単純に、ポジションを解消したときの為替レートが円安に振れていれば利益は増幅し、円高に振れれば利益が圧縮されてしまうということです。

念のため、GMOクリック証券にも確認の問い合わせをしてみました。
以下のような回答が届きました。

ということで、GMOクリック証券のCFDでポジションを立てる場合、ポジションを建てたときの為替レートは損益に影響しません。

これは私にとっては朗報です。
つまりドル建てで生活しているアメリカ人と同じように、ポジションを建てるときは為替レートを考慮せず、株価だけを見ていればいいということになります。

一方、利益を確定するときは円安の方(損失の場合は円高の方)が有利なので、為替レートのタイミングを見計らった方がいいということになりますが、為替差損を被ることはありません。

今年に入って特に、株価は下落しているのに為替がなぁ・・・と思っていたのですが、CFDなら株価だけを見て買うことができます。
円安が収まらない限り(目安としては1ドル=130円以下の水準)、現物取引を控えてCFDを買おうかなと今考えています。

最後に一点、注意していただきたいのは、これはGMOクリック証券での話で、他の証券会社のCFD取引の場合は異なる計算方法を採用している場合がありますので、必ずご自身でご確認ください。


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