この先1ヶ月は株価動向がまったく読めない

株価動向がまったく読めない1ヶ月

株価の動向は予測不能というのが私の投資ポリシーです。読むことはできないし、読もうとすること自体、ムダなことだと思っています。

しかし、いざ何かを買おうとするとき、その先数週間、1ヶ月でどのような動きをするのかは気になるところ。読めないとはわかっていつつも、つい考えてしまいます。

市場にはアノマリー(経験則)というものがあります。

有名なのが、Sell in May(5月に売れ)というものです。そしてBe back in Septemberと続く場合もあります。つまり、5月-9月のパフォーマンスよりも9月-5月のパフォーマンスのほうがいいというアノマリーです。

アノマリーなので常に当てはまるわけではありませんが、歴史的にそうなる確率のほうが高いということです。

今、マーケットの関心は11月3日の大統領選挙に集まっています。少し前までは追加の経済対策が大きな話題になっていましたが、徐々に選挙のほうへ関心がシフトしてきています。

実は追加の経済対策は今が正念場です。トランプ政権は民主党案へ大きく譲歩し、2兆ドル前後の規模で政権と民主党の間では合意されそうな雰囲気になってきています。昨日もムニューシン財務長官とペロシ下院議長が協議を行いました。合意には至らず、引き続き協議することになったそうです。

政権と民主党が合意すれば、下院は民主党が多数を占めているので難なく通過するでしょうが、上院は共和党が多数を占めています。トランプ大統領は政権と民主党で合意が成立すれば、共和党の議員たちも賛成することになるだろうと話していますが、かなり不透明だと思います。

昨日の下落はマーケットが選挙前までの合意は難しいということを織り込み始めたからでしょう。マーケットは選挙後速やかに成立することを期待しているように見えます。

そこで問題となってくるのが大統領選挙のゆくえです。

トランプが勝ってもバイデンが勝ってもマーケットは好感すると思うが・・・

よく、トランプ勝利=株高、バイデン勝利=株安という意見を見かけますが、私はそうはならないと思います。

マーケットにとって、大統領選挙が問題なのはどちらが勝つのかわからないという不透明要因だと思います。一種の不安心理が働いて、株価の頭を押さえているような状態だと思います。

私はどっちが勝ってもマーケットは不透明要因がなくなることで好感すると思います。選挙を通過すれば追加経済対策の実現もグッと近づきます。
では、この先1ヶ月は上昇で間違いないかというと、そうも言い切れないのが今年の大統領選挙です。

私が一番のリスクだと思っているのは12月に入っても結果が確定しないという事態です。

今、アメリカの世論は真っ二つに分かれてしまっています。例年、アメリカの大統領選挙は大きく盛り上がりますが、ここまで意見の対立が激化することはなかなかなかったことだと思います。

私がマーケットにとって最もおそれる事態のモデルケースは以下のようなものです。

11月3日 大統領選挙当日
接戦で期日前投票や郵便投票の結果が全体の選挙結果に大きく関わってくるため、結果が判明しない
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両候補が同時に勝利宣言(どちらも敗北を受け入れない)
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投票日から1週間、2週間後
(再集計などを経て)結果が確定
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それでも敗北した候補が敗北を受け入れず提訴
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12月14日の各州代表の選挙人による投票日までに選挙人が確定しない

アメリカの大統領選挙は実態は有権者が大統領を選ぶ直接選挙ですが、建前上は間接選挙で各州で大統領を選ぶ選挙人を選出し、選挙人が大統領を選ぶという仕組みになっています。今回の選挙人の投票日は12月14日です。

アメリカ大統領選挙では今までの慣習で敗北した候補が敗北宣言をして初めて結果が確定することになっています。つまり、12月14日までに敗北した候補が敗北を受け入れない場合、選挙人が確定せず、12月14日に投票が行えないという事態に陥る可能性があります。州議会が選挙結果に関わらず一方的に選挙人を指名してしまう可能性も一部で懸念されています。

さらに、11月3日の投票日は大統領だけでなく、上下両院の議員選挙の投票日でもあります。選挙後、結果が確定するまでは政府も議会も政治活動がストップします。

もし選挙前に追加の経済対策がまとまらず、さらに選挙結果がなかなか判明しない場合、いつまで経っても追加の経済対策が成立しないリスクがあります。

通常、11月3日に投票があると、現地時間で翌4日の未明から午前中までには大勢が判明します。前回、ヒラリー・クリントン候補が敗北を受け入れたのは投票日の翌朝の未明でした。
しかし過去にも選挙結果が確定しなかったことがありました。2000年のジョージ・W・ブッシュ(共和党)vsアル・ゴア(民主党)の選挙です。

この時も接戦で、フロリダ州の結果次第で勝敗が決するはずが、フロリダ州の集計作業が混乱し、再集計する事態になりました。再集計後も敗北とされた民主党が提訴し、さらに混乱しました。結局、ゴア候補が敗北宣言をしたのは選挙人確定期日の12月13日でした。

⬆️は投票日の11月7日以降のS&P500指数の推移です。

投票日の11月7日の寄り付きが1432.19、結果確定後の12月14日の寄り付きが1359.99で、下落幅は約5%です。

今回はコロナ禍での選挙で、しかも選挙後に追加経済対策の成立を控えての選挙となった場合、選挙結果の混乱は2000年の時よりも大きな影響をマーケットに与える可能性があります。

一方ですんなり結果が判明し、敗者が敗北を素直に受け入れる可能性も十分にあります。どちらか一方に決めつけてかかるのはそれはそれでリスキーだと思います。

今週の主な決算発表

大統領選挙で影が薄くなりがちですが、アメリカ株の投資家として忘れてはならないのが今週は決算の山場だということです。
ビッグテック4社が揃って29日の引け後に決算発表を行います。

10月27日(火)
寄り付き前
メルク(MRK)
キャタピラー(CAT)
ファイザー(PFE)

場中
スリーエム(MMM)

引け後
マイクロソフト(MSFT)

10月28日(水)
寄り付き前
ボーイング(BA)
マスターカード(MA)

引け後
アムジェン(AMGN)
ビザ(V)

10月29日(木)
引け後
アップル(AAPL)
アマゾン(AMZN)
フェイスブック(FB)
アルファベット(GOOGL)

10月30日(金)
寄り付き前
エクソン・モービル(XOM)
シェブロン(CVX)

※太字は私が保有・フォロー銘柄


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