正解がないから投資は面白い

私にとって投資について考えたり、本を読んだり、情報収集をしたり、決算資料を見たりするのは趣味と言っていいと思います。
確かに老後や万が一のときに資産があったほうが安心だと思って資産運用している面はありますが、それならばインデックス連動の投信を毎月積み立てておけばいい話です。経済ニュースを読んだり、決算資料を調べる必要はまったくありません。インデックス連動の投信に積み立てで長期投資をする際の秘訣は、積立設定をしたらあとは20年、30年放置することです。余計な情報を仕入れて不安にかられながらあれこれ考えるよりも、ほかの趣味などに時間を活用した方が有益です。自動積立は毎月自動で口座からお金が引き落とされて勝手に買い付けをしてくれます。

投資なんかに興味がなく、単に経済的な安定・安心のため、将来のために資産運用しているならば、インデックス指数への積立投資で十分です。わざわざアメリカの個別株に投資する必要なんてありません。
膨大な時間を使ってリスクを背負ったところで、個別株のパフォーマンスがS&P500に及ばない可能性も十分にあります。20年、30年経ってからパフォーマンスが下回ることがわかった時の徒労感はなかなかのものだと思います。わざわざ膨大な時間と労力を浪費して、自分の運用パフォーマンスを結果的に落としてしまうことになります。

やはりそれでも私が個別株に投資しているのは、好きでやっている面が強いと思います。
投資をしていると、いろいろな分野にアンテナを張るようになります。もし投資をしていなかったら、アメリカの政治についてこれほどニュースを気にすることはないと思いますし、ディズニーが動画配信を始めたことも知らなかったと思います。あらゆる分野の学びにつながることはとても良い副産物だと思います。

もし1970年に投資するなら

投資の面白いところは正解が存在しないというところだと思います。
あとで振り返ってみると、AよりもBのほうがパフォーマンスは良かったなということもありますが、それはあくまで結果論です。投資には正解が存在しないということが、私がインデックスだけでなく個別株に投資している大きな理由のひとつです。

そもそも資産運用をする際、投資先の候補は株式だけではありません。もっとも一般的なものは株式だと思いますが、他にも国債などの債権や不動産投資、金などの現物資産や原油などの先物取引もあります。
将来の期待だけでなく、投資のしやすさや情報の得やすさ、最低取引金額なども投資先を選ぶ際の大切な要素です。

たとえば、もし私が1970年に投資をしていたら、アメリカ株には投資していないと思います。
当時の主な情報源は新聞や雑誌だったと思いますが、アメリカの株式の情報は圧倒的に少ないと思います。そもそも日本の証券会社がアメリカ株を扱っていたのかわかりませんが、扱っていたとしても間違いなく今よりも銘柄数は少なく、手数料ははるかに高かったはずです。

では仮にそういった投資パフォーマンス以外の要素をすべて外して考えた場合、自分だったら1970年の時点で投資するなら何を選択していただろうかと考えてみました。

まず、最有力候補は日経平均と連動する投資信託です。1970年は大阪万博が開かれた年です。日本経済は高度経済成長まっただ中のイケイケの時代です。1965年から70年にかけての景気拡大はイザナギ景気と呼ばれました。経済成長率は毎年のように10%を超えるような状態です。
実際、1970年から90年にかけての日経平均のパフォーマンスは20年で約16倍弱とびっくりするような結果になっています。年率換算すると複利で約15%のパフォーマンスです。

80年代後半はバブルで異常なPERの上昇があったのでそれを差し引いて考える必要はあるかもしれませんが、それでもすごい数字だと思います。バブル崩壊前までに日本株に投資していた投資家は非常に高パフォーマンスだったでしょう。

では、一方のS&P500はというと、20年で約3.5倍です。年率に換算すると複利で約7%です。

日本株の圧勝と言っていい結果ですが、それはあくまで結果論です。

しかし、1970年時点の投資先でもうひとつ有力候補になる投資先があります。国債です。
1970年時点の国債利回りは7%台でした。元本がほぼ保証されているうえに年率7%という利回りは非常に魅力的だと思います。私が1970年に投資をしていたら、おそらく国債を選んでいたと思います。さらに国債の利回りが高いということは銀行の預金利息も高かったということなので、長期の定期預金は非常に魅力的だったと思います。日本人の貯蓄好きは戦後のこういった経済状況から大きな影響を受けているのかもしれません。

しかし、投資には正解はありません。
1970年〜1990年のあいだでは、日経平均、S&P500、国債、どれに投資していたとしても長期で投資していれば損をすることはなかったでしょう。相対的に比べるとパフォーマンスの優劣はありますが、絶対的にはどの投資先でもパフォーマンスはプラスです。
20年後の結果がどうなるかは当たり前ですが20年経たないとわかりません。20年後に過去20年を振り返って結果を比較したときに満足がいくパフォーマンスになることを祈ってコツコツと長期投資していこうと思っています。