現実世界の「たぬき開発」 金利なしで借金する手段

時は金なり

時は金なりということわざがあります。これはたかがことわざとはあなどれません。
現代の経済活動でも「時は金なり」を体現しているものがあります。ローンの金利です。

借金=悪ではない

前回、持ち家か賃貸かという記事を書きました。

この記事の中で、住宅ローンの金利・手数料について否定的な意見を述べました。
しかし、借金=悪とは考えていません。

少し話が脇道にそれますが、以前、「Nintendo Switchが欲しい!」「あつ森がやりたい!」と書きましたが、実はいまだに買えていません。私の性格だとこのまま熱が冷めていって結局買わないということになりそうな予感がしています。いまだ買えていませんが、先日、友人から1週間借りてあつ森をプレーする機会がありました。
あつ森では無人島に移住する「たぬき開発」という不動産会社(?)のカウンターからゲームがスタートします。そしていざ無人島に移住することになるわけですが、渡航費用や移住費用は「たぬき開発」から借金をして賄っていることになっていて、まずは借金を返すことがゲームを進める第一歩になります。

実はこの借金は現実世界の借金とは似て非なるものです。なぜならこの借金には利息がかからないからです。いつまで返さなくても5,000マイルのままです。返済しなければゲームがいつまで経っても先に進みませんが、金利もかからないですし、返済期限も設定されません。
借金=悪という固定観念が強いかもしれませんが、「たぬき開発」の借金はむしろいいことだと思います。利子も手数料もかかりませんから。
不動産ローンの問題点は金利と手数料です。5,000万円借りたら5,000万円返せば終わりでは済みません。2%なり3%なりの金利が30年に渡ってかかりつづけます。

なぜ金利がかかるのか

ではなぜ借金には金利がかかるのでしょうか。
金利をかけないと銀行が儲からないからというのは身も蓋もない答えになってしまいますので他に答えを見つけたいと思います。
割引現在価値という考え方があります。これは、現在の100万円と、1年後の100万円では価値が違うということです。もしあなたが今すぐに100万円がもらえるのと、1年後に100万円がもらえるのを選べるとしたらどちらを選ぶでしょうか?おそらく、今すぐに100万円を選ぶ人がほとんどだと思います。では1年後に105万円ならどうでしょうか?1年後の105万円を選ぶ人がある程度いるのではないでしょうか。これが割引現在価値です。もし、あなたが1年後の105万円を選んだとしたら、1年後の105万円の割引現在価値は100万円では足らないと判断したということです。
つまり、現在の100万円は、1年後の100万円よりも価値があるということです。だから借金には金利がかかるのです。
借り手にとって借金=悪ではなく、借金の金利=悪なのです。

現実世界の「たぬき開発」

通常、借金には金利がかかります。しかし、現実世界には「たぬき開発」に近い存在、つまり金利なしでお金を貸してくれるものがあります。
クレジットカードです。クレジットカードでも金利が発生するリボ払いではなく、通常の1回払いです。これは現実世界の「たぬき開発」に近いです。
例えば、あなたのクレジットカードが月末締め、15日払いだったとします。そこで月初の1日に10万円の買い物をクレジットカードでします。すると翌月15日にあなたの銀行口座から10万円がクレジットカード会社に引き落とされます。当たり前のようですが、これは割引現在価値を無視した取引です。現在の10万円は将来の10万円より価値があるはずなのに、クレジットカード会社はあなたに10万円しか請求しないのです。クレジットカード会社は無利子で10万円を1ヶ月貸してくれるのです。

あつ森の「たぬき開発」とクレジットカードの違うところは支払い期限があることです。クレジットカードはせいぜい1ヶ月ちょっとしたら必ず全額返済しなくてはなりません。

VICE – いったい私たちは、たぬきちにどれほど搾取されているのか

Image courtesy of Nintendo, edit by Author 私は資本主義者を軽蔑している。そして『どうぶつの森』シリーズの主要キャラクター、たぬきちほどの資本主義者はいない。かつて商店を営み、『とびだせ …

上の記事のようにあつ森のたぬきちは強欲な資本主義者だという記事を時々見かけますが、ひどい濡れ衣だと思います。私は声を大にして言いたい。
「彼ほど素晴らしい貸し手はいない!」


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