S&P500は一時予想PER16倍台に S&P500の現在地

Q1決算はおおむね好調

先週のアメリカ市場でS&P500は節目の4,000ポイントを割る場面がありました。

S&P500が4,000ポイントを割るのは昨年の3月末以来のことです。

金曜日以降は持ち直し、昨日は4,088.85ポイントで引けています。

昨日までの年初来のパフォーマンスは-14%となっています。

Q1(1-3月期)決算発表は主だったところはほぼ終わりつつあります。

5月13日時点で、S&P500のうち、91%の会社が決算発表を終えています。

発表を終えた会社のうち、77%は予想EPSを上回る決算となり、74%は売上高で事前の予想を上回りました。
1-3月期の決算はおおむね良好だったということです。

好決算だったので当然かもしれませんが、予想EPSも先月の水準からはわずかに上昇しています。

予想PERは一時16倍台に

私はおおよそ月に1度の頻度で、S&P500のファンダメンタルズを確認するようにしています。

5月13日付けのファクトセットのレポートによると、2022年のS&P500のコンセンサス予想EPSは229.22ドルということになっています。

先月4月8日付のレポートをチェックした際、2022年の予想EPSは228.45であったので、株価は軟調な中でも企業の業績予想はわずかながら上振れているということになります。

昨日5月17日の終値4,088.85でそれぞれPERを算出すると以下のようになります。

先週金曜日以降、株価は底堅く推移しており、底打ちしたという声もSNSなどではちらほら聞こえ始めています。

中長期で底打ちしたかどうかはまだまだわかりませんが、ファンダメンタルズとしては割安とはいかないまでも、PERで過去平均レベルの水準まで株価は下落してきています。

2022年の予想EPS、229.22をもとにそれぞれのPER倍率で株価を逆算すると以下のようになります。

先月までは18倍以上を掲載していましたが、株価が下落し現在でも18倍を下回っていることから17倍も追加しました。

先週の安値が12日木曜日の3,858.87であったので、一瞬ではありますが予想PER16倍台を記録したことになります。

アメリカの市場参加者もPERは常に参照しているでしょうから、こうした局面では買いが入ったようで、16倍台を記録したのは現地木曜日の午後3時前後、約1時間の短い時間でした。時差のある日本人投資家にはこうした一瞬の株価下落を拾うのは不可能に近いと思います。

その後は木曜日を底に反転していることから、短期では先週木曜日が株価の底になる可能性が高いかと思います。

注意しなくてはならないのは予想PERは予想EPSをもとに算出されており、経済状況が変わって前提となる予想EPSが大きく落ち込めば、上記の表のPER倍率に対応する株価も変わってくるということです。

今後、リセッションのリスクが大きく高まり株価が下落したときに、再び3,900ポイントを下回ったからといって先週と同じように買い場になるとは限らないということです。

ドル円相場は引き続き円安基調

日本のアメリカ株投資家にとって今回の相場が買い場とも言いきれない理由が円安です。

先月、円安で頭が痛いと言っていた頃は1ドル=125円でしたが、その後も円安基調は続き、現在は1ドル=129円前後で推移しています。

現在の黒田日銀総裁が就任した2013年以降、ドル円相場は100円〜125円のボックスで推移していました。少し長めに2000年以降を見ても134円台が上限で、その上限に近づきつつあります。

為替相場は複雑怪奇で先を読むことは非常に難しいと思いますが、現在の水準ではなかなか手が出しにくいというのが本音です。


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