たとえ株価が大暴落しても絶対にマーケットから退場してはならない

先日、『短期的にはそろそろ調整の心構えをしたほうがいい』という記事を書きました。
この記事の中では、CNNが算出している「恐怖と強欲指数」をもとにこの先数ヶ月の短期的な目線では株価が調整する可能性があるのではないかと書きました。

株価の予想はできないと思っています。今の時期になると、経済評論家やアナリストがよく翌年末の株価予想をやっていますが、話半分で聞いておいたほうがいいと思います。地震と一緒で株価の暴落・急落はいつやってくるかわかりません。

しかしたとえ株価が大暴落したとしても、長期投資にとって何よりも大切なことは決してマーケットから退場しないということです。

過去の暴落局面を今の株価水準で振り返る

過去30年には大きな株価の急落が5回ありました。

急落前1年の高値急落後の底値下落幅下落率
ブラックマンデー (1987年10月)337.89221.24116.6534.52%
ITバブル崩壊(2001年9月)1530.09775.68754.4149.30%
リーマンショック(2008年9月)1576.09666.79909.3057.69%
欧州債務危機(2011年8月)1370.581074.77295.8121.58%
新型コロナウィルス(2020年3月)3393.522191.861201.6635.41%

今年の3月の急落は記憶に新しいところです。連日、7%を超える下落率が続きサーキットブレーカーが発動していました。まさにパニック状態であったと思います。

こうして一覧にするとリーマンショックの大きさが群を抜いています。インデックス指数のS&P500が半分以下まで売り込まれました。まさに100年に1度の金融危機と言われる世紀の大暴落です。

今年の3月もそうでしたが、こういった急落局面ではマーケットはパニックに陥ります。VIX指数はみるみる上昇し、ニュースもネガティブなもの一色になります。こういった状況で最も大切なことは急落局面で絶対に相場から降りないことです。

当時としては30%、40%台の大暴落であったとしても20年後、30年後の株価水準で下落幅を考えると、株価が上昇している分、下落率は相対的に下がります。

例えば、今から33年前のブラックマンデーの暴落では高値から底値までの下落幅は116.65です。当時は下落率30%を超える大暴落で大騒ぎになったわけですが、先週末のS&P500の終値の3638.35で割ってみるとわずか3.2%です。S&Pが3000を超えている今日では116程度の下落は頻繁ではありませんが1日の下落幅でありうる数字です。その日のニュースでは株価急落と報じられるかもしれませんが、そんなに特筆するような下落幅ではありません。

何が言いたいかというと、たとえ買った直後に急落したとしても、20年後、30年後の株価水準で考えればそんなに大きな下落ではないということです。

もちろん、リターンの面では暴落前に買うのと、暴落後に買うのではそれなりの差が出てしまいます。ブラックマンデー前の高値337.89で買って2020年の現在までホールドしていた場合、株価はおよそ10.8倍ですが、暴落後の底値で買っていた場合は16.4倍です。相対的に比較すれば大きな差になってしまいます。

しかし、絶対的には30年で10倍というのは立派なリターンだと思います。

何年か前に、老後30年生活するには2000万円必要だという報告書を金融庁が公表し話題になったことがありましたが、30年前、当時30代半ばの人がS&P500に連動する投資信託を200万円分買っていれば(当時日本でS&P500連動の投信を買う手段があったかどうかはわかりませんが)、たとえ200万円を時間分散せずに一気に買い込んで、さらにその買値が暴落前の最高値であったとしても、65歳を過ぎる頃には、30年前に投資した200万円以外の貯蓄が一切なくても手元には2000万円残るわけです。とりあえず贅沢しすぎなければ、老後の生活を経済的に心配する必要はありません。

当たり前ですが、337.89で買って30%を超える下落率に動揺して売ってしまっていたら、200万円が140万円弱になって損しただけになってしまいます。その時に退場しなかったからこそ、30数年後に200万円が10倍の2000万円になって手元に残るわけです。

2010年代の株式市場、特にアメリカ株は絶好調でした。同じようなリターンを2020年代に期待することはできないと思います。もしかすると2000年代に2度経験した大きなリセッションを迎えることになるかもしれません。
しかし、長期投資家にとって、最も大切なことはマーケットに居続けることです。50%を超える大暴落を迎えたとしても決して投げ売って退場してはいけません。