史上最高値を更新し続けるS&P500はどこまで上がる?

上がり続けるS&P500

S&P500の上昇が止まりません。

6月はFOMCで利上げ観測が強まると、一時下げる局面もありましたが、その後持ち直しました。6月後半以降は連日史上最高値を更新し続けています。

もうかなり昔のような感覚がしますが、2021年の初値は3,764でした。昨日7月7日の終値が4,358だったので、今のところ年間の上昇率は15.8%です。

7月はQ2(4-6月期)の決算発表が控えています。
Q2を通じてアメリカの経済活動はほぼ完全に正常化しました。おそらく各社好調な決算発表となることでしょう。

出典:Forbes

⬆️は1950年から2017年までの月別のS&P500平均リターンのグラフです。6月、8月、9月があまりよくない中、7月は+1.00%と好調です。
今年も必ずいい結果になるとは言い切れませんが、過去の平均では7月は株高になりやすい季節性があるということです。

どこまで上がるのか?

では、一体どこまで上がるのでしょうか?

予言する能力はないので、必ずここまで上がるとは言い切れませんが、予想EPSからおおよその値幅を探ってみたいと思います。

出典:ファクトセット

⬆️は最新のS&P500のコンセンサス予想EPSのグラフです。
2021年のコンセンサス予想EPSは191.36、2022年が213.21です。

7月7日終値4,358.13でそれぞれPERを算出すると以下のようになります。

予想EPS予想PER株式益回り
2021年191.3622.77倍4.39%
2022年213.2120.44倍4.89%

来年にかけて経済正常化が予想されることから、今年は例年にも増して翌年の予想EPSが意識されています。
7月に入り、2021年も後半に入ったので21年よりも22年を意識しながら投資行動を考えた方が賢明かなと個人的にも思います。

史上最高値を更新し続けている割には予想PERで20倍台、益回りでは5%弱とそこまで割高感は感じられません。

株式益回りの4.89%と10年債利回りの1.3%を比較してみても株式の割高感は感じられないと思います。
株式の方が国債よりもリスクが高いので、株式益回りの方が国債の利回りより高いのは当たり前なのですが、それでも1.3%と4.89%の差は決して小さくないと思います。つまり、一概にも株式が割高とは言い切れないということです。

このまま年末にかけて市場が予想するとおりに経済の正常化が進めば、まだまだ上昇余地はあるように思います。21年の予想EPSからそれぞれPER21倍、22倍の場合の株価を算出すると以下のようになります。

予想PER株価株式益回り上昇率(7月7日終値比)
21倍4,477.414.76%2.74%
22倍4,690.624.55%7.63%

PER22倍という数字は決して現実離れしている水準ではないと思います。過去の株価水準と比較すれば割安とは言えない数字ですが、80年代のバブル時の日本のように法外に割高というわけでもありません。

22倍で現在の株価から7%の上値余地があります。実現すればかなり大きな上昇幅だと言えると思います。

しかし、これらの数字には経済正常化が市場の予想通りに進むという大前提があります。今の時点でその大前提を当たり前と考えるのは、まさに取らぬ狸の皮算用というものです。大前提が崩れれば、予想EPSの数値が下方修正され、株価も下落します。

アメリカではワクチン接種によって新規の感染者数・死亡者数ともに減少傾向です。ワクチンを接種してもコロナに掛からなくなるわけではないので、今後も新規の感染者数は上下すると思いますが、より重要なのは重症者数と死者数です。重症者数・死者数が低い水準に抑えられていれば、いくら新規の感染者数が増えたとしても経済への影響は大きくないと思います。

今の市場には今後、ワクチンが効かない変異ウィルスが出現するというリスクはほとんど織り込まれていません。いわばブラックスワンです。ブラックスワンが出現したときには昨年の2月・3月のように市場が再び大パニックになる可能性があります。

株式投資ですからリスクは当然あります。しかし、年末までの半年間というスパンを考えれば、まだまだ上値余地がある可能性が高いと思います。


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