【スポーツビジネス】ビジネスとしての魅力はあるのか?①

6・19 プロ野球開幕

私は小学生の時から野球派です。高校まで野球部でした。あんまり真面目ではありませんでしたが。
先週末から無観客ですが、プロ野球が開幕しました。2ヶ月遅くなった分、今年の開幕は今までと一味違う感じがします。
海の向こうのメジャーリーグでは労使対立が激化して開幕の目処すら立っていない状況です。メジャーリーグは日本のプロ野球よりもビジネスはビジネスと割り切るドライな雰囲気があると思いますが、今回はそういう面が悪い方向に行ってしまっている気がします。
私が高校生、大学生の頃はMLBばっかり観てました。松井秀喜選手が所属していたヤンキースファンなんですが、当時のアイドルはデレク・ジーターという選手でした。2017年にマイアミ・マーリンズという球団を買収して、現在は共同オーナーの1人です。一方で当時のヤンキースのもう1人の中心選手にアレックス・ロドリゲスという選手がいました。引退後はジェニファー・ロペスと婚約して話題になっていましたが、A-RodとJ-Loカップルがニューヨークのもう一つの球団、ニューヨーク・メッツを買収する計画をしているというニュースが今年に入って話題になっています。ジーターとA-Rodは現役時代から不仲が囁かれるなど、色々と因縁のある仲なのでそういった背景もメディアを騒がしています。

【MLB】Aロッドのメッツ買収に現実味 資産家が268億円出資で交渉が大きく前進(Full-Count) – Yahoo!ニュース

メッツの買収に意欲的なMLB通算696本塁打のアレックス・ロドリゲス氏と婚約者で歌手の女優ジェニファー・ロペスさん。そんななか、資産家のマイク・リポール氏が2人のメッツ買収に支援する見込みだと米紙「ニューヨーク・ポスト」が報じている。 【写真】「永遠の美しさ」とファン唖然 Aロッドの婚約者J・ロペスさんのゴージャス”黄金ドレス”姿 …

スポーツビジネスのビジネスとしてのうまみ

まず、前提としてジーターがMLB球団のオーナーになったのも、A-Rodが買収を計画しているのも経済的な利益を求めてではないです。ジーターもA-Rodも現役時代の最高年俸は20億円を超えてましたので、引退後は働かなくても遊んで暮らしていけるほどの資産はあるはずです。

一方でアメリカではスポーツビジネスの話題がよくビジネス誌に取り上げられます。日本で読売ジャイアンツや阪神タイガースの資産価値についての詳しい記事は見たことがありません。
フォーブスというアメリカの経済誌では毎年、世界のスポーツチームの資産価値ランキングというものが発表されます。昨年のランキングは以下の通りです。

出典:Statista
  1. ダラス・カウボーイズ(NFL)50億ドル
  2. ニューヨーク・ヤンキース(MLB)46億ドル
  3. レアル・マドリード(欧州サッカー)42.5億ドル
  4. FCバルセロナ(欧州サッカー)40.2億ドル
  5. ニューヨーク・ニックス(NBA)40億ドル

以上が上位5チームです。上位50チーム中、NFLが26チーム、MLBが9チーム、欧州サッカーが8チーム、NBAが7チームという内訳でした。日本のスポーツチームは上位50位には入っていません。

毎年、7月ごろにランキングが発表されるのですが、今年は先立ってMLBのチーム資産価値に関する記事が出ていたので紹介したいと思います。

Despite Lockdown, MLB Teams Gain Value In 2020

Major League Baseball has seen this play before: A global calamity spreads fear and panic. Equity values plummet. The future gets scary. And prices for the most valuable teams in the league hold their lead.

今回発表されたMLBのチーム資産価値ランキング上位6チームは以下のとおり。

  1. ニューヨーク・ヤンキース 50億ドル(前年比+9%)
  2. ロサンゼルス・ドジャース 34億ドル(+3%)
  3. ボストン・レッドソックス 33億ドル(+3%)
  4. シカゴ・カブス 32億ドル(+3%)
  5. サンフランシスコ・ジャイアンツ 31億ドル(+3%)
  6. ニューヨーク・メッツ 24億ドル(+4%)

コロナの影響でシーズン開幕が延期になっているにもかかわらず、30チーム中23チームは前年より資産価値が上昇していました。
文中、シカゴ・カブスの資産価値が過去10年で5倍になったことが紹介されていますが、S&P500の過去10年のパフォーマンスが2.5倍だったことが引き合いに出されています。こういった記事で球団経営をビジネスとして捉えて実際のインデックス投資のパフォーマンスと比較するところがアメリカの経済誌の面白いところです。10年前にMLB球団を買収することはビジネス的には悪い投資ではなかったということです。

MLBの収益体系

出典: Forbes Despite Lockdown, MLB Teams Gain Value In 2020

フォーブスの記事ではMLBリーグ全体のセグメント別収益のグラフが紹介されていました。

  • MLB全体の収益 105億ドル(約1兆1,235億円)
  • Gate Receipt・・・ゲームのチケット収益 32億ドル(約3,424億円) 約30.4%
  • Ntional・・・全国的なメディア(ESPNやFOXスポーツなど)の放映権契約、スポンサー契約やライセンス供与契約 31億ドル(約3,317億円) 約29.5%
  • Local Media・・・地元のテレビ局、ラジオ局との放映権契約 22億ドル(約2,354億円) 約20.9%
  • Sponsorships・・・スタジアム内の看板広告、ネーミングライツなど 11億ドル(1,177億円) 約10.4%
  • Other Stadium Revenue・・・スタジアム内の飲食、チームストア、駐車場などの収益 9億2,500万ドル(約989億円) 約8.8%

今季、無観客で開催した場合、Gate ReceiptとOther Stadium Revenueは大きく損なわれますが、他の3部門にはほとんど影響がなく、60%の収益は確保できるという見立てになります。ただ、ゲーム数が極端に少ない場合は放映権料やスポンサー契約等にも悪影響が出ますので損害は大きくなります。

フォーブスの記事ではコロナの影響にも関わらずチームの資産価値に大きな悪影響はないと査定しています。前述のとおり、1位のニューヨーク・ヤンキースは前年比9%増でした。同じ期間(2019年7月〜2020年4月)、S&P500のパフォーマンスが約-15%だったことを鑑みるとすごい数字だと思います(もちろん公開株と違って流動性は非常に低いですが)。

フォーブスでは各チームの収益分析もされていて、非常に面白いのですが少し長くなってしまうので次回に譲ります。