給付金のクーポンは批判殺到なのになぜ株主優待には批判が出ないのだろう

給付金をクーポン支給する案に批判殺到

昨年、新型コロナ給付金の一部を現金ではなくクーポンで配布するという政府の方針が伝えられると批判が殺到しました。

ゴタゴタの末、現金とクーポンを配布の自治体が選択できるとする妥協案で決着しました。
結局、多くの自治体は現金を選ぶことになったようです。

この時、クーポン案が批判される理由として挙げられたのがクーポン発行にかかる巨額の経費です。

⬆️の東京新聞の記事によると、クーポン発行にかかる経費は最大で967億円と試算されています。

批判はもっともだと思います。
現金給付であれば280億円の経費で済むところを、紙のクーポン券を印刷して配るだけで900億円以上の税金を余計に使うなんてバカげています。

株主優待も同じことなのに国内の投資家からは批判をあまり聞かない

日本の株式市場には株主優待制度という独特の慣習があります。

優待株投資は一部の投資家の間で盛んでしたが、この人⬇️の影響でさらに一般にも広く浸透したのではないかと思います。

私が大学生の頃なのでもう10年ほど前になるかと思いますが、『月曜から夜ふかし』というバラエティ番組に出演していました。

現在でも『桐谷さんおすすめの優待株ランキング』などという記事を時々目にします。
⬇️こんな記事です。

私は株主優待否定派です。
アメリカには株主優待制度はありませんが、もし株を保有している会社が株主優待を導入しますと言い出したら、本気で売却を考えるかもしれません。

そもそも、先に挙げた給付金のクーポンと株主優待では何が違うのでしょうか?
私には給付金クーポンには批判が殺到するのに、株主優待があまり批判されない理由がわかりません。

株主優待は非効率で不公平

株式会社が株主に還元する方法する方法としては主に2つの方法があります。

  • 株主配当
  • 自社株買い

株主配当はまさに給付金と同じく、会社が株主に直接現金を配るという方法です。一方の自社株買いは会社が株式を買い取ることで発行株式数を減らして既存株主の保有割合を上げるという方法です。

これらの株主還元と比較すると、株主優待は明らかに非効率で不公平です。

株主配当や自社株買いで株主還元を行えば、わざわざ株主優待に追加経費をかける必要はありませんし、日本在住ではない株主にとっては、日本国内でのみ使える金券やクーポンを送られても使い道がありません。
海外の投資家からは株主優待に対して不公平だという批判があるようです。

上の記事にもあるように、株主優待を廃止して株主配当に回すほうがより効率的で公平だと思います。

なぜ政府からの給付金のクーポン案に対して批判が出たかというと、それはみんなクーポンよりお金の方が価値があると思うからです。

ではなぜお金のほうが価値があると思うのかというと、それはお金のほうが汎用性があるからです。

お金には使用用途も期限もありませんが、クーポンには使えるお店やサービスが限られ、使用期限が設けられます。

お金であれば外食に使うことも、家賃の支払いに当てることも、株式投資に回すこともできます。

日本人はクーポンより現金のほうが価値があるということを潜在的にわかっているはずです。

ではなぜ株主優待には批判が出ないのか?
そこが私には理解できません。

その会社を応援したいということであれば、配当金でその会社の商品やサービスを購入すればいいことです。

わざわざ株主優待の価値を金額換算して、優待利回り○%なんて計算している記事やブログを見かけることがありますが、本当に理解に苦しみます。


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