REIT(不動産投資信託)ってどうなんだろうと検討してみた

人口増加が見込まれるアメリカ

私がアメリカ株に投資してる理由のひとつは人口増加です。アメリカでは21世紀末にかけて人口が増加が続くと予想されています。

出典:国連HP

⬆️は以前も紹介したことがありますが、国連によるアメリカの人口動態の予想です。現在、アメリカの人口は3億3,000万人ですが、21世紀末までには4億人を突破し、4億5,000万人に迫ると予想されています。

人口増加は市場の拡大を、人口減少は国内市場の縮小を意味します。
今のアップルやグーグルなどのアメリカのハイテク企業にとっては、たとえアメリカの人口減少が予想されていたとしても、国際マーケットで際立った競争力を持っているのであまり関係ないかもしれません。
ただ、アメリカ国内をビジネス基盤としている内需株は人口減少が見込まれていたら成長がより難しいものになるでしょう。

私の保有銘柄では鉄道株のユニオンパシフィック(UNP)は売上高の100%をアメリカ国内で上げている内需株ですが、もしアメリカの人口が減ると見込まれていたら投資していなかったと思います。

REIT(不動産投資信託)ってどうなんだろうか?

先日、ロイヤリティファーマ(RPRX)という会社を紹介しました

ロイヤリティファーマは新薬の特許権に投資をする会社で、自前で何かを製造したり、サービスを提供する一般的な会社とは性格を異にします。

ふと、REIT(不動産投資信託)ってどうなんだろう?と思いました。ロイヤリティファーマの投資先が新薬の特許権ではなく不動産だったら、それは不動産投資信託になります。今まで食わず嫌いで敬遠してきた感があったので今回、少し調べて検討してみました。

まず、REITと一口に言ってもいろいろなものがあります。

前提として、私は需要が小さくなることが予想される市場に投資するのはかなり気兼ねします。
日本株への投資を敬遠してしまうひとつの要因なのですが、アメリカの不動産でも将来の見通しがあまり明るいとは思えない種類のものがあります。

オフィスと商業不動産(デパートやショッピングモールなど)です。

今回のコロナウィルスのパンデミックでオフィスがなくても仕事ができることに多くの人が気付きました。
こういった類いの事柄については日本社会は非常に保守的で、日本ではリモートワークがなかなか進んでいないと言われていますが、アメリカではWFH(Work From Home)と言ってそれなりに普及しつつあるようです。

アメリカ企業は建前よりも効率性を取ることで高い成長性や生産性を担保している面があります。
物事をプラグマティックに考えれば、在宅勤務は非常に効率的です。会社にとってはオフィスが不要になったり、従来よりもコンパクトなオフィスで済ませられればオフィス賃料や光熱費の削減になりますし、労働者にとっては通勤にかかる時間と労力の節約になります。

商業施設もこの先、増えると考えるのはなかなか無理があると思います。アマゾン(AMZN)だけでなく、ウォルマート(WMT)など実店舗を構えて商売をしていた会社もオンラインへ続々と参入しています。

オフィスや商業施設がまったく姿を消してしまうとは思いませんが、将来、ニーズが増えにくいと予想される市場であえて戦う必要はないと思います。

以上のことから、私が検討したのは住宅に投資をして賃料を稼いでキャッシュフローを生んでいるREITです。

エクイティ・レジデンシャル(EQR)

検討したのはエクイティ・レジデンシャルという銘柄です。
S&P500採用銘柄で、時価総額は約220億ドル(約2兆2600億円)です。S&P500に採用されているREITの中では比較的時価総額が大きい銘柄です。

ロサンゼルス、サンフランシスコ、ワシントンDC、ニューヨークなど、大都市圏を中心に平均賃料2500ドル〜4000ドルの比較的高級な物件を所有しています。

REITは一般的に利益(Earnings)ではなく、FFO(Funds From Operation)という数字でその銘柄の価値を図ります。EPSと同様にFFOを株数で割った一株あたりFFOを算出し、株価を一株あたりFFOで割ったものをFFO倍率と言ってPERのように株価の割高・割安を測る目安にします。

FFOは以下の計算式で算出されます。
FFO=当期純利益-不動産売却損益+減価償却費

エクイティ・レジデンシャルの過去5年の一株あたりFFOとEPS(一株あたり利益)は以下のとおり。

20152016201720182019
一株あたりFFO3.482.943.153.143.39
EPS2.3611.681.631.772.60
単位:ドル

2016年の決算書にによると、所有しているマンションのうち29,440戸を売却したようです。そのため、2016年以降FFOが落ち込み、2016年のみEPSがぐんと上がっています。売却益から特別配当も出たようです。

値動きは株価と比較すると冴えません。

2011年初頭から今年2月のコロナ感染拡大直前の高値までのリターンは70%程度です。ちなみにS&P500の2011年年初から今年2月の高値までのリターンは160%でした。さらに3月の急落後、S&P500は最高値を更新していますが、エクイティはまだ2月の高値を回復できていません。

REITはキャピタルゲインよりもインカムゲインを主目的として投資すべきという意見もありますが、現在の配当利回りは約4%です。インカムゲインは複利を聞かせるにも配当を再投資する手間がかかります。
4%のインカムゲインでキャピタルゲインがほぼ期待できないというのは正直、投資対象として厳しいものがあると思います。

ウェルタワー(WELL)

今回、エクイティ以外にもいくつかのREIT銘柄をみていましたが、正直どれもやはりアメリカの個別株やS&P500と比較するとリターンが寂しいものばかりでした。

しかしひとつだけ、これは少し面白いかもと思ったものがあります。

ウェルタワー(WELL)という銘柄です。

REITなんですが、投資対象はシニアハウジング(高齢者向けの介護サービスや医療サービスつきのアパート)や医療施設です。
ウェルタワーはシニアハウジングの賃貸に加えて、自社で運営も行っているようです。

Statistic: Resident population of the United States by sex and age as of July 1, 2019 (in millions) | Statista
Find more statistics at Statista

⬆️は2019年現在のアメリカの年代ごとの人口比率です。

アメリカでは1946年〜1964年生まれの世代はブーマー(ベビーブーマー世代)と呼ばれており、この先10年〜20年後にはこの世代が徐々に引退を迎え、やがては介護が必要な世代になってきます。今後、高齢者向けのアパートの需要は間違いなく増えると思います。

ウェルタワーも過去10年のリターンは少し寂しいものがあります。S&P500と比較するとアンダーパフォームしています。配当利回りはエクイティよりも低く、現在の株価で3.6%程度です。

面白いとは思いますが、投資として考えると、やはり決め手に欠けるといった印象です。