追加経済対策が議会を通過もトランプ氏が修正要求

追加経済対策が議会を通過

週末返上でアメリカ議会の共和党と民主党は追加経済対策について協議を行い、合意しました。

追加経済対策の総額は約9000億ドル(約93兆円)で、国民ひとりあたり600ドルの直接給付や来年3月まで失業保険給付の週300ドル上乗せが含まれています。

夏前の共和党、民主党それぞれが提示した経済対策案はそれぞれ

  • 共和党・・・3000億ドル
  • 民主党・・・2兆ドル

であったので、両党とも妥協して合意に漕ぎ着けました。

現地時間の21日深夜、上院を通過し、あとはトランプ大統領に送って署名すれば成立、来週には600ドルの給付が始められる!というニュースが出ました。株式市場は織り込み済みで反応しませんでしたが。

バイデン次期大統領は今回の経済対策は第一弾に過ぎないとし、1月の大統領就任以降、さらなる経済対策を講じる姿勢を示しています。

トランプ大統領が拒否権を発動するか?

当初、トランプ大統領の側近が大統領は速やかに署名するだろうと言っているという報道があり、経済対策成立は間違いないと見られていました。
ところが、現地時間の22日夜、トランプ大統領は動画をツイッターに投稿し、議会を通過した経済対策は不十分だという見解を示しました。

この中でトランプ大統領は600ドルの直接給付は少なすぎるとし、最低でも2000ドルに引き上げるよう求めました。ただ、拒否権の発動は明言しておらず、現在の経済対策案を成立させた上で追加の経済対策を議会に求めるのか、拒否権を発動して対策案を議会に差し戻して変更を求めるのかはまだわかりません。

もともと、より大型の経済対策を求めていた民主党は意気軒昂です。議会民主党トップのナンシー・ペロシ下院議長は直接給付増額案を議論する準備があるとしています。

一方、議会共和党トップのミッチ・マコーネル共和党上院院内総務は今のところ正式な反応をしていません。おそらく週末返上で合意に漕ぎ着けたにも関わらず、最後の最後で身内の大統領にちゃぶ台返しをされてはらわた煮えくりかえっていると思います。

もし拒否権発動となれば、議会で再度合意形成を図る必要がありますが、2000ドルの直接給付は与党共和党の主流派にとって到底受け入れられるものではなく、1月下旬の政権交代まで経済対策成立は難しくなるかもしれません。議会多数派の与党共和党と大統領が対立して政治が停滞するという、よくわからない状態に陥りつつあります。

もちろんですが、もし大統領が拒否権を発動すれば、マーケットにとっては下落圧力になるでしょう。


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