待機資金をVIXで運用するのってどうなのだろうか?

待機資金の運用先

私は長期で株式投資をしています。

日々、トレードを繰り返すわけではなく、買い付けのタイミングは年に2回程度ですので、手元には待機資金が現金でつねにある状況です。

以前からこの待機資金をどうにかうまく運用できないものかと考えていましたが、なかなか良い投資先が見つかりませんでした。

先日、S&P500のCFDを保有しているGMOクリック証券のページを何気なく見ていると、VIXに連動するCFDがあリました。

ふと、これで待機資金を運用できるかも?と思い、少し調べてみました。

VIXでの待機資金の運用

まず、VIXというのは、ボラティリティ指数(Volatility Index)という意味で、株式市場のボラティリティの大きさに応じて上下する指標です。

ボラティリティの上昇は投資家の恐怖心を高めるため、恐怖指数と言われることもあります。

⬆️は過去30年のVIXのチャートです。

平時は11〜20のあいだをボックスとして推移し、中規模の調整時で30程度まで、昨年のコロナショックやリーマンショックなど大規模な経済の混乱時で40以上の水準まで上昇します。

コロナショック後は以前と比較すると高止まりする傾向で、15から20のあいだのボックス圏で推移していましたが、9月の調整で足元では23程度まで上昇しています。

平時に手元資金で買い付けておき、調整局面でVIXが上昇したところで利益確定、増えた資金を投資に回せるので、私のようなトレード回数が年に数回しかない長期の投資家にはなかなかおいしい運用先のように見えます。

しかし、デメリットがいくつかあります。

まず、持ちっぱなしにすると毎月価格調整額というコストがかかるという点です。

このCFDはVIXの先物に連動しています。
先物には限月があって、たとえば21年10月物は10月13日に決済されます。

すると、10月物から11月物に乗り換えることになるわけですが、その際に差額が発生すると、その分が価格調整額として転嫁されます。

⬆️は過去の価格調整額の一覧です。

ほぼ期先の価格が期近を上回っており、買いポジションに対してマイナス、売りポジションにたいしてプラスの価格調整となっています。

しかも一度に2,000円から3,000円前後が引かれています。最低取引額は額面の10倍なので、たとえばVIX指数が20の場合、20ドルの10倍、200ドルが最低取引額ということになります。

つまり、 110ドルから200ドルに対して毎月、2,000円から3,000円が引かれていることになります。およそ10%から15%程度に相当し、10ヶ月以内には価格調整額だけで元本が溶けてしまう計算になります。

この価格調整額があるために、CFDを買って上昇するまでホールドする、ということはほぼ不可能ということになります。

価格調整額を回避するためには、発生日の前に一度ポジションを解消し、発生日をやり過ごしてから同じ価格でポジションを立てるという作業を月に一度行わなくてはなりません。

難しいことではありませんが、毎月この作業を行うのはなかなかの手間です。

2つ目のデメリットは元本割れで現金化できなくなるリスクです。

いくらボックス圏で推移する傾向が高いとは言え、元本割れで長期にわたって推移する可能性もゼロではありません。現在は15から20のあいだで推移していますが、将来的には11程度まで下がる可能性は十分にあります。

低い水準で推移しているときに、急遽現金化する必要がでてきた場合には損失を被る可能性があります。

そこまでのリスクと手間をかけてやる価値のあることなのかどうか、悩ましいところです。

年末は例年、株式市場が好調なことが多く、そうなればVIXも現在の水準からは幾分下がるのではないかと思います。

VIXが下がってきたタイミングでまずは少ない金額から始めてみようか検討をしています。


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