バフェット指数ってどこまで意味があるのだろうか?

アメリカ株は強いですね。もうほぼコロナの急落前の水準まで戻してきました。
数ヶ月前までは、年末には株高で急落前の水準を回復すると一部で予想されていましたが、早々にその水準まで戻してきました。ただ、最高値が近づくと上値が重くなるようですが。

さて、ウォーレン・バフェットが好んで用いると発言したことで「バフェット指数」と呼ばれるようになった指数があります。

バフェット指数=上場株式の時価総額の合計/国内総生産(GDP)× 100

100を超える(つまり時価総額>国内総生産)と割高とされています。
そんなバフェット指数ですが、ニュースになっていました。

「バフェット指数」が30カ月ぶりの高水準…世界の株式が割高であることを示す

ウォーレン・バフェット。 REUTERS/Shannon Stapleton ウォーレン・バフェットが推奨する株価指標が、30カ月ぶりの高水準になった。これは、世界の株式が過大評価されており、調整局面が迫っているかもしれないことを示している。 世界の株価をGDPと比較する「バフェット指標」世界版は、2018年2月以来初めて100%を超えた。 このことを最初に 発見した …

世界の時価総額が世界のGDPの総計を超えたというニュースでした。

記事で紹介されている世界版の前にアメリカ版の話をしたいと思います。
実はアメリカ版は恒常的に100を超えるようになって久しいです。

出典:Wilshire 5000 Total Market Full Cap Index/Gross Domestic Product

2020年4-6月期では190です。時価総額がGDPの2倍に近い状態です。2013年に100を超えてからぐんぐんと上昇しています。もし、100が基準値であるとすると、今の株価はこの指数が示す理論株価の約2倍の水準にあることになります。

私はこの指数はあまり参考にしていません。もちろん、上がれば割高、下がれば割安だとは思いますが、100を超えたら割高とは言えないんじゃないかと思っています。

理由は2つあります。
1つ目はGDPはアメリカの国内総生産なので、アメリカ企業の海外での売上が含まれていないためです。今、アメリカ市場の時価総額上位5社はアップル、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、フェイスブックです。5社のサービスをまったく利用したことがないっていう日本人がどれだけいるでしょうか?すべて利用したことがある人の方が多いのではないかと思います。しかし日本で売れたiPhoneの売上はアメリカのGDPには含まれません。
では、アメリカの企業の売上高のうち、海外と国内の割合はどの程度なのか。当たり前ですが会社によって異なりますので市場全体の数字を見てみたいと思います。
バフェット指数で使用されているウィルシャー5000ではなく、S&P500指数の数字ですが、結果に大きな差異はないと思います。

国内:海外が7:3といったところでしょうか。7:3なのにバフェット指数が200近いのは筋が通らないじゃないかという意見があると思いますが、そのような意見には2つ目の理由で反論したいと思います。

2つ目の理由はそもそも、株式時価総額とGDPって同じ土俵で比較するべきではないのではないかということです。
株価は将来のキャッシュフローの割引現在価値で値決めされます。一方、GDPはその年の国内の経済活動によって生み出された富の総和です。将来の価値を割り引いた数字と過去の直近1年間の数字を比べることに意味があるのでしょうか?2つはまったく性質の異なる数字だと思います。

さて、そんな個人的には奥歯にものが挟まったような印象のあるバフェット指数ですが、先に紹介したニュースでは世界版で100を超えたと報道されていました。

世界版の場合、海外売上が〜という理由は当てはまらなくなりますが、それでもやはり株価と総生産を比較することには違和感を覚えます。

株価水準はPERを見ていますが今は・・・

株価が割高かどうかは私はPERを最も重視しています。

出典:S&P 500 PE Ratio by Year

現在は約29倍です。高いですね。以前にも記事にしたように、私は今のマーケットは少し楽観的すぎるかなと思っています。
ただ、一方で今のPERは少し気をつけなければならないと思っています。29倍という数字は今年の予想利益をもとに算出されています。今年は4月にロックダウンを経験して4-6月期の利益は下振れしています(ハイテクなど影響を受けていない、もしくは逆に追い風になった業種もありますが、社会全体としては間違いなくマイナスだと思います)。一時要因で下振れした利益をそのままに計算してしまえばPERは上昇してしまいます。
かといって、もしロックダウンしていなかったら・・・という数字は誰にもわからないので一時要因を除いて計算することは不可能なんですが・・・。今の相場環境は割安・割高の判断が非常に難しいと思います。