なぜ日本では投資が根付かないのか?

特別定額給付金の使い道

すったもんだの末に全国民に一律給付が決まった特別定額給付金。
我が家にも申請書類が先日届きました。うちは私と妻の二人世帯なので20万円です。うちの妻はお金というものにあまり執着がなく、今回も「必要なら渡すけどどうする?」と聞いたら、「今は特に買いたいものもないし、任せる」とのことだったのでまずは銀行口座で待機(今、買えそうな銘柄がないので)、ゆくゆくは投資資金になるかと思います。ちなみに生活防衛資金として生活費の数ヶ月分は現金を保有しています。キャッシュ比率は少し高めになっていて現在40%強です。

「10万の使い道は?」というアンケート調査記事がいくつかネット上で散見されます。

5000人に聞いた一律給付される「現金10万円」の使い道TOP3、3位食事、2位貯金、1位は?|@DIME アットダイム

政府が国民に一律現金10万円を給付する「特別定額給付金」。あなたは何に使うかもう決めただろうか。そして、自分以外の人たちが、いったいどんな使い方をするのか気になりはしないだろうか? そこで今回、「特別定額給付金の使い道」についての設問を含む、「新型コロナウイルスによる支払い方法の変化に関する調査」が行われたので、その結果を紹介していきたい。 …

日本とアメリカのアンケート結果の比較

上のアンケート結果では、

1位 食品・飲料品 30.8%
2位 貯金 27.5%
3位 食事 24.1%

が上位3つでした。
日経電子版にも同様のアンケート調査記事が出ていましたが、上位3位は同じでした。
この手のアンケートの時、「投資」という選択肢自体がないことが多く、そのたびに日本には投資が根付いていないんだなと思わされるんですが、今回は入ってました!

14位 投資 2.9%

入ってたら入ってたで、やっぱり投資してる人って少ないんだなと思わせられるので結局は一緒でしたが(苦笑)。

ちなみにアメリカでは一人あたり1200ドル(13万円)が4月に支給されましたが、その時の使い道アンケートがこちら。

出典:GALLUP

1位 請求書の支払い 35%
2位 貯蓄もしくは投資 29%
3位 生活必需品(食料品、ガスなど) 16%

そもそも「貯蓄」ではなく、「貯蓄または投資」という選択肢になっているんですね。こういうところにも日本との違いが垣間見えます。29%の貯蓄と投資の内訳が知りたいところですが、記事には内訳まで書かれていませんでした。
1位の請求書の支払いというところもアメリカらしいですね。

このGALLUPの記事にはこんなデータもありました。

出典:GALLUP

収入ごとのアンケート結果です。
高収入の世帯ほど請求書の支払いや生活必需品に回す比率が低く、逆に貯蓄または投資に回す比率が高くなっています。
今、人種差別の問題で国が分断されているアメリカですが、経済格差も大きく、富裕層は余裕資金を投資に回すのでさらに裕福に、貧困層は収入がそのまま生活費で消えてしまうのでいつまでも貧困から抜け出せないという状況がこのアンケート結果にも表れていると思います。

なぜ日本には投資が根付かないのか

前置きが長くなりましたが、今日の本題です。なぜ日本には投資が根付かないのか。
私は理由は二つあると思います。過去の経済状況と教育です。

出典:日本銀行 時系列統計データ検索サイト

日本の基準貸付利率(従来公定歩合と表記されていたもの)の推移です。
公定歩合とは日本銀行が銀行にお金を貸し出す際の金利です。公定歩合と市中の預金金利は多少違いますが、1994年の金利自由化までは公定歩合と預金金利は連動していたので、動きは同じような動きだと思います。
70年代は4〜9%、1990年前後でも3〜6%でした。
公定歩合が7%とすると定期預金の金利はおそらく5〜6%程度でしょうか。
過去20年のS&P500の年率リターンは7.2%です。預金金利が6%ってすごいことです。預金は元本保証されています。預けている金融機関が倒産するなどのよっぽどのことがない限り元本割れすることはありません。
ただ、当時はその分、インフレ率も高かったので、利息は実質2〜3%程度になると思います。70年代のインフレ率はオイルショック時に20%まで急騰した場面もありましたが、押し並べて5%前後です。
そしてその後、日本はバブル崩壊を迎えます。株価が大暴落して株取引=リスキーという先入観が刷り込まれます。一方、預金をしていた人はそれまで利息を受け取れていた上にバブル時でも元本割れを免れました。地道にコツコツ貯めるのが一番、という考えになるのが当然だと思います。

さらに教育も一因だと思います。日本の昔からの文化としてお金=汚いものという概念がどこか人々の考えの底流にあると思います。資本主義社会において、お金の概念を教えることは大切なことだと思いますが、私が受けてきた学校教育ではお金について教わったことは何もありません。
お金がどのように社会の中で循環していて、資本主義経済がどのように成長してきたのかということは社会で生きていく上で知っておいたほうがいいと思います。投資しなさいと教育する必要は全くないと思います。投資が収益を生み、収益が消費を生み、消費がさらなる投資を生む、ただ投資にはリスクが伴いますよということを教えるべきだと思います。

ちなみに日本人は貯金好きというイメージがあるかもしれませんが、日本の貯蓄率は世界的には高くありません。GDP比で4.5%です。特に2000年代以降、下がってきています。