マクドナルド(MCD)Q1
決算発表 4月29日
【決算概要】
| Q4(前年比) | 市場コンセンサス予想 |
---|---|---|
売上高 | 51.2億ドル(+8.7%) | 50.4億ドル |
営業利益率 | 44.5%(+8.6%<+860bps>) | – |
EPS | 1.92ドル(+30.6%) | 1.81ドル |
株価:231.72ドル(5月14日終値)
2020年度EPS:6.05ドル
2021年度EPS(予):8.61ドル
PER(実):38.30倍 益回り:2.61%
PER(予):26.91倍 益回り:3.72%
過去10年平均PER:20.38倍 益回り:4.91%
業績はコロナ前の水準を回復済み
マクドナルドは外食産業であるにもかかわらず、業績に対してコロナ禍の影響をあまり受けていない会社だと言えると思います。売上高や利益を見ると、実質的に影響を受けたと言えるのは昨年のQ2(4-6月期)のみと言えると思います。
Q3(7-9月期)以降はほぼV字回復です。
今回の決算でもその流れは変わりませんでした。
要因としてはドライブスルーの売上高の割合が高いことが挙げられます。コロナ前でもアメリカ国内の全体の売上のうち、3分の2はドライブスルーによるものでした。コロナ禍でその割合は9割まで上がっています。
ドアダッシュやウーバーイーツなど、フードデリバリーサービスが普及したことも追い風といえるでしょう。我が家でもコロナ以降はウーバーイーツでマクドナルドを注文して食べることが多いです。
うまみの大きいフランチャイズ化をすすめる
マクドナルドは自社で店舗を運営する直営店を減らし、フランチャイズオーナーに店の経営を任せて売上高の一定の割合をロイヤリティとして納めさせるFC化を進めています。
2020年と10年前の2010年の店舗数を比較してみると以下のようになります。
2010年 | 2020年 | |
---|---|---|
直営店(全体に占める割合) | 6,399(20%) | 2,677(7%) |
フランチャイズ店(全体に占める割合) | 26,338(80%) | 36,521(93%) |
合計 | 32,737 | 39,198(+20%) |
この10年で世界中のマクドナルドの店舗は6,400軒ほど増えました。10年で2割増です。
しかし、直営店は3,700軒ほど減っています。2010年には全体の20%が直営店でしたが、現在は7%までその比率が下がっています。
理由はマクドナルド本社にとってフランチャイズの方が美味しいビジネスだからです。
新規出店はリスクを伴います。用地や従業員の確保や設備投資には費用がかかる一方、マクドナルドと言えども成功する確率は100%ではありません。
フランチャイズではそのリスクの大半をオーナーに被せることができます。そして利益が出た暁にはその一部をロイヤリティとしていただくことができるのです。
このビジネスモデルは、リスクの大半を背負ってでもマクドナルドという看板が欲しいというフランチャイズオーナーがいなければ成立しません。マクドナルドの高いブランド力があるからこそ、為せる業と言えるでしょう。
今後もフランチャイズ化の流れは進むでしょう。いずれは直営店がゼロになるかもしれません。マクドナルドのビジネスはフランチャイズ化によって他の外食ビジネスとは似て非なるものになりつつあります。
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