私はファンダメンタルズを見て投資行動をしています。
よくテクニカル界隈の人たちは逆三尊だとかカップ・ウィズ・ハンドルなどとトレードサインをチャートに求めますが、私はそのようなものを見て投資判断をすることはありません。
しかし、いかに長期投資とはいえ積み立て投資ではない以上、少しでも安く買いたい、少しでもタイミングを掴みたいというのは本音です。
そういった面から、売買のタイミングを掴むためにチャートを見るようにしています。
しかし、基本的には日足を見ることはなく、週足、月足を見ます。

⬆️はS&P500の週足のチャートです。
表示されている線は移動平均線です。
上のチャートでは、
短期=13週
中期=26週
長期=52週
です。
長期の52週は約1年です。
中期はその半分(約半年)、短期はそのまた半分(約3ヶ月)です。
このチャートでは2020年6月以降が表示されていますが、この約1年半の間、中期である26週移動平均線にタッチしたことは2度あります。
2020年10月の大統領選直前と2021年10月の調整時です。
どちらも10月というのは興味深いところです。
この期間中、長期の52週移動平均線にタッチしたことは1度もありません。
それほど大きな調整がこの1年半はなかったということです。

続いて月足です。
短期=12ヶ月(約1年)
中期=24ヶ月(約2年)
長期=60ヶ月(約5年)
つまり月足の短期である12ヶ月移動平均線は、週足の長期である52週移動平均線とほぼ同じです。
月足の長期の60ヶ月移動平均線を割り込むというのはよっぽどの調整(暴落といった方がいいかも)局面です。
2020年3月のコロナショックではその60ヶ月移動平均線を割り込みました。
あとから考えれば10年に1度の買い場だったわけですが、毎日7%以上下落し、サーキットブレーカーが発動する中、買い向かうのはかなり勇気のいることです。
結果的には「あの時買っていれば・・・」と思いがちですが、一方で「落ちるナイフは掴むな」という投資格言もあります。
下落局面で逆張りを張る投資ほど難しいものはありません。
2001年のITバブル崩壊のときは60ヶ月移動平均線を下にブレイクしたのは2001年8月、その後60ヶ月移動平均線まで回復したのは2004年11月だったので約3年かかりました。
2008年のリーマンショック時には、2008年9月に下抜けて、その後回復したのは2010年12月だったので約2年かかったことになります。
今回のコロナショックはリセッション入りしてから回復するまでが異常に早かったため、株価も急回復しましたが、本来はリセッション入りすると、株価の回復には2年から3年の時間がかかります。
長期の移動平均線にタッチしたから機械的に買うというのはリセッション時に大火傷をする可能性があります。
長期投資にはファンダメンタルズに基づいて投資判断をすることが王道で、チャートはあくまでも参考情報だと思います。
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