資産運用会社の決算資料から得る投資のヒント

証券会社や銀行は手数料ビジネス

よく、資産運用を始める人に対するアドバイスに「銀行や証券会社の窓口に資産運用の相談に行ってはいけない」というものを耳にします。

上のグラフは以前ご紹介した銀行で資産運用している人の運用損益のグラフです。46%の人が損益0%未満、つまり含み損の状態です。しかも-50%未満が約1%、-30%〜-50%が約1%というのはさらにびっくりです。

なぜこのようなことになってしまうのか?
理由は銀行が売りたいものは運用成績に関係なく、手数料率が高いものだからです。

リスクとリターンを突き合わせて考えた場合、一番良いパフォーマンスが期待できるのはインデックスに連動するETFや投資信託です。個人的には全世界株式もしくは全米株式もしくはS&P500がいいと思います。
そのように考えられる理由は大きく2つあります。

  1. 十分なリスク分散が図られている
  2. 必要経費が低い

リスク分散はとても重要です。全世界株式でも全米株式でもリスク自体はそう変わらないでしょう。なぜなら世界中の株式で時価総額上位の銘柄は米国株が圧倒的な比重を占めるからです。
インデックスに連動する商品はアクティブなものより概して手数料率が低いです。インデックス連動のため、機械的にポートフォリオを組成するので企業調査などのコストがかからないためです。
逆にインデックスのパフォーマンスを上回ることを目指すアクティブ運用の商品はインデックス連動のものと比較すると手数料が高いです。優秀なファンドマネージャーを雇ったり、企業調査にコストがかかったりするからです。

資産運用会社の決算資料から得られる投資のヒント

先日、ブラックロック(BLK)の資料を見ていたら、下のようなグラフがありました。

運用資産のうち、商品タイプの割合(左)と手数料売上の割合(右)です。AUMはAssets Under Managementの略で運用資産を指します。
グラフによると運用資産のうち、アクティブ運用商品は27%ですが、手数料では全体の46%を占めます。3割弱の資産が売上の約半分をもたらしているということです。一方、インデックス運用商品は資産残高では35%ですが、手数料売上では全体の10%にしかなりません。

2つの商品を比較したとき、ブラックロックの経営陣や株主の立場からするとアクティブ運用の商品を推していきたい理由がよくわかると思います。販売する側からするとアクティブ商品のほうがはるかにうまみのある商品です。

逆に投資する側(商品を購入する側)は余計な手数料を取られないために、向こうにとってうまみのある商品には手を出してはいけないということです。

その他の金融ビジネスでも傾向は同じ

投資からは少し離れますが、その他の金融ビジネスの場合も同じです。

特に会社側が売りたいと推している商品は要注意です。手っ取り早くその傾向を知るにはCMを見るといいと思います。
銀行のCMというとどのようなものが思い浮かびますか?このようなものではないでしょうか?

カードローンです。たまたま三井住友銀行のCMがYoutubeにあったので引用しただけで他意はありません。
このCM、かわいい女優さんに目が行きがちですが、途中にさらっとかなり怖いことが表示されます。

金利 年4.0%〜年14.5%
遅延利率 年19.94%

下の小さい字を読むと、100万円以下:年12.0%〜14.5%と書いてあります。
これ、すごい数字です。銀行のキャッシュローンでお金借りて投資に回す人はいないと思いますが、例え投資したとしても12%〜14.5%なんてそう稼げません。
バフェットのバークシャー ハサウェイの年次レポートには必ず、冒頭に少し誇らしげに会社設立以来のリターンが年率で書かれていますが、昨年時点で19.784%でした。世界一成功した投資家と言われているバフェットのリターンとほぼ同じ水準(もしくはそれに少し劣る水準)の金利が借金にかかってくるなんて考えただけでも恐怖です。銀行のカードローンからは何があってもお金を借りてはいけません。

逆に銀行のCMであんまり「うちにお金預けてください」という趣旨のCMは見たことがないのではないでしょうか。理由は単純で、あなたがお金を銀行に預けたところで、それがどんなに大金だったとしても預金だけでは銀行は儲からないからです。今はマイナス金利なので銀行は儲かるどころか日銀に手数料取られてしまう可能性だってあります。

クレジットカードでも同様です。よく目にするCMはリボ払いではないでしょうか?
リボ払いもカードローンと同じくらい高金利です。10%超えは当たり前の世界です。リボ払いも絶対に利用してはいけません。

金融ビジネスは基本的には手数料ビジネスです。うまく使えば非常に役に立ちますが(というか証券会社がなければ個人投資家は投資できない)、間違っても『いいお客さん』になってはいけません。