2022年の大幅な株価上昇は将来のリスク上昇を意味する S&P500の現在地

2021年のS&P500のパフォーマンスは+26.9%

昨夜からアメリカの株式市場は1月相場に突入しました。初日は史上最高値を更新する好調な発進となったようです。

2021年はアメリカ株にとって非常に良い年でした。

2020年12月の終値は3,756.07に対し、1年経った2021年12月の終値は4,766.18でした。騰落率は+26.9%でした。

S&P500の過去20年の年率パフォーマンスは8%台ですので、2021年は超がつくほどの好成績だったと言えると思います。

一部ではバブルを懸念する声もありますが、どうなのでしょうか?
検証してみたいと思います。

2022年の大幅な株価上昇は将来のリスクの上昇を意味する

私は月に1度、S&P500のファンダメンタルズを確認するようにしています。

最新のEPSのコンセンサス予想は以下のようになっています。

出典:ファクトセット

データは12月17日発行のレポートから引用しています。

昨年末の終値4,766.18でそれぞれPERを算出すると以下のようになります。

11月のデータでは2022年の予想PERが20.70倍でしたが、12月後半の株価上昇で21倍台へと上昇しています。

2022年の予想EPSをもとにそれぞれのPER倍率で株価を逆算すると以下のようになります。

1月3日の終値は年末の終値からさらに上昇し、4,796.56でした。ちょうど120ポイントで予想PERが22倍の大台に乗ることになります。120ポイントは2.5%程度の株価上昇ということになります。

つまり、これ以上の株価上昇には、

  1. EPSの上昇
  2. PERの上昇

上記2点のいずれかが必要条件になります。

2022年はFRBの複数回の利上げが予想されています。インフレ率も現在のところ高止まりしており、2022年も引き続き緩和策が継続することは、金融危機などの突発的な大事件がない限りあり得ないでしょう。

利上げは景気を冷やすことを意味します。①の条件であるEPSの大幅な上昇は期待しにくいと思います。

さらに②のPER上昇も期待薄だと思っています。
S&P500のPERの過去平均は18倍台です。22倍台やそれ以上というのは明らかに割高水準と言えるでしょう。

つまり、2022年は今の経済状況を前提とすると、株価上昇の期待はあまりできないということです。

現在の株価水準はまだバブルとは言えないと思います。バブルの入り口に差し掛かっているといったところでしょうか。

仮に2022年も株価が大幅に上昇した場合、EPSの上昇が期待できない以上、それは必然的にPERの上昇を意味することなり、2023年以降の株価大幅下落のリスクを増大させる可能性があります。これ以上の株価上昇は将来のバブルのリスクを増大させる可能性があるということです。

2022年はS&P500のパフォーマンスが良くても数%の上昇、場合によっては10%程度の下落もあり得ないことではないと思います。

株価の予想は不可能だと思っているので、こういった予想を前提に投資戦略を考えることはしませんし、するべきではないと思いますが、心構えの材料とすることはできると思います。

2022年は辛抱の1年になるかもしれません。


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