選挙前に米株すべて売却←こんなバカなことしないようにしましょう

まもなく2週間を切るアメリカ大統領選挙

私は誰がアメリカの大統領になるかは長期のアメリカ株のパフォーマンスには関係ないと思っています。民主主義と資本主義をアメリカが掲げる限り、長期(20年、30年)のS&P500の上昇はほぼ間違いないと思っています。

ただ、短期(1ヶ月以内)や中期(数ヶ月〜1年以内)では大統領選挙の結果は大きな影響を及ぼすと思います。
結果がどうなるのか、まだ見通しは不透明です。バイデン氏有力の声もありますが、今のアメリカでは何が起こるかわかりません。
私は最近、FOXニュースの世論調査や選挙予測を見るようにしています。前回2016年の大統領選挙では、事前の世論調査の結果は概ね、民主党のヒラリー・クリントン候補が優勢でした。トランプ支持者を中心に今回も世論調査なんてあてにならない!なんて声があります。
その背景にはアメリカの主要メディアの大半がバイデン支持だということがあります。日本でもメディアの右寄り、左寄りはありますが、アメリカのメディアはもっとその傾向が顕著だと思います。さらに、新聞は正式にどちらの候補を指示しているのかを表明します。主要メディアでは、ニューヨーク・タイムス、ワシントン・ポストやディズニー(DIS)傘下のテレビ局ABCは民主党寄り、FOXニュースやウォールストリート・ジャーナルは共和党寄りです。
主要メディアではバイデン優勢の観測が多いことから、共和党寄りのFOXニュースがどのような観測報道をしているのかに注目しているわけです。ただ、最近、FOXニュースの世論調査の報道の頻度が下がっている気がします。

FOXニュースの直近の全米での世論調査ではバイデン陣営がトランプ陣営を10ポイントリードしています。ただ、全米での結果がそのまま大統領選挙の結果に結びつくとは限りません。2016年の選挙の総得票数ではクリントン氏がトランプ氏より多かったわけですが、獲得選挙人数ではトランプ氏が上回ったのでトランプ氏が勝利しました。総得票数よりも各州での勝敗が勝利を決めます。

勝負のゆくえはどっちに転ぶかわからない「スイングステート」と呼ばれる州の結果が握っています。

具体的には
・フロリダ
・ノースカロライナ
・アイオワ
・オハイオ
・ペンシルベニア

などがスィングステートと目されています。うち、オハイオ、アイオワではトランプ陣営がTVスポットを打ち切ったというニュースがありました。トランプ陣営が2州での勝利を諦めたのでは?という観測もあります。
また、共和党の強力な岩盤支持を誇ってきたテキサス州でも接戦が報じられています。テキサスは選挙人38人の大きな州ですから、もしトランプ氏がテキサスを落とすとかなり勝利は厳しくなってきます。

結果はまだ読めません。10月に入ってからバイデン氏への傾きが強まりつつあるように思いますが、トランプ氏勝利の確率もまだまだ十分にあると思います。

Yahoo!JAPANで見かけたあるコメント

Yahoo!JAPANでの大統領選挙のコメントをよく見ます。基本的にYahoo!JAPANは右寄りの意見が多く、トランプ支持の傾向が強いです。
そもそも日本の保守派とトランプ氏の利害が一致するかは少し疑問が残るところですが、彼らはトランプ氏の中国への強硬姿勢を重視してトランプ支持をしているようです。

先日大統領選挙に関する記事のコメントの中にこのようなものがあり、目を引きました。

アメリカ株に投資していますが、最近バイデン勝利のリスクが上がってきているので、一旦、持っている株をすべて売却しました。トランプ氏が勝利すれば株高継続なので買い戻そうと思っています

最近のマーケットの動きを見ると、トランプ勝利=株高、バイデン勝利=株安という見方は少し安易すぎるかもしれません。2016年の選挙のときも当初はクリントン勝利=株高、トランプ勝利=株安という見方が大勢でしたが、トランプ氏の勝利が決まった後、株価はトランプラリーと呼ばれる上昇が始まりました。
大統領選の結果も不透明な上、その結果次第で株価がどう動くかは予測不能だと思います。

コメントした人物がどのような投資スタイルなのかはわかりません。もし、短期(数時間〜数日)で売買を繰り返すスタイルであれば全降りという行動も理解できますが、そうだとしても大統領選挙の結果を見越してアクションを取るのは早すぎると思います。

もし、中長期の投資スタイルを取るならば、どんな理由であってもすべてのポジションを解消するというのは正しいとは思えません。
もし、100%の確信を持って株安が予期することができれば、すべてのポジションを解消してもいいと思いますが、そんなことは不可能です。
今年3月の株価急落の際にもし、急落直前に全ポジションを解消して4月の底で買い戻していればかなりの利益を得られたことでしょう。しかし、それを3月の時点で100%の確信を持って見通すことは不可能ですし、半か丁かの博打でしかありません。うまくいっていたとしてもそれは結果論です。

長期投資はじっくりコツコツと分散させたリスクを負うことでリターンを得ることができます。すべてのポジションを解消した時点でマーケットから降りることになってしまいます。それまでのリスク分散も無意味になってしまいます。大統領選挙でボラティリティは大きくなるかもしれませんが、間違ってもマーケットから降りるなどというバカなことはせず、コツコツと少しづつリスクを取っていき、将来のリターンの最大化を図りましょう。


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