不動産投資ってどうなんだろうか? 不動産投資のメリットとデメリット

ロバート・キヨサキ氏の著書『金持ち父さん 貧乏父さん』は以前、記事でチラッと紹介したことがあります。
私はそれ以外のキヨサキ氏の著書は読んだことがなかったのですが、先日続編にあたる『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』という本を読みました。

収入源(キャッシュフロー)を4つのタイプ(クワドラント)に分類して、自分の現在のクワドラントはどこか?経済的な自由を得るためにはどのクワドラントに移るべきか?自分のクワドラントを移行させるためには具体的にどのような行動をとるべきか?ということがこの本の主な趣旨です。
クワドラントの分類に関しては以前、記事で紹介したのでそちらをご参照ください。

不動産投資のメリットとデメリット

キヨサキ氏は自分の経験を踏まえて、その意見を著書にしています。彼は一度、ホームレスになったことがあるそうですが、その状態から会社を起こし、本の中では「経済的な自由を得た状態」と表現されているお金のために働く必要がない状況にたどり着くまでどのようなことを考え、どのような行動を起こしてきたか、自身の経験をベースに詳しく述べられています。

本の中では不動産投資の話がよく出てきます。直接的に不動産が推奨されているわけではありませんが、著者が実際に不動産投資をメインに資産を築いてきたことから、株や債権よりも不動産投資がより具体的に詳しく取り上げられています。

私は個人的に株式投資を始めてからは8年(最初は日本株でしたが)、途中でFXにも手を出したこともあります。しかし、不動産投資は手を出したことはありません。
株やFXはインターネットのおかげでかなり簡単に始めることができるようになりました。口座開設して入金すれば取引を始めることができます。口座開設申込書は郵送かもしれませんが、そのほかはすべてオンラインで済んでしまいます。株式投資に関する情報もネット上に溢れています。特定口座で取引をすれば確定申告の手間も不要です。

一方、不動産投資はかなり新規参入のハードルが高いと思います。そのために私も今まで不動産投資に踏み切ることはなかったわけです。私が考える不動産投資の難しい点・デメリットを以下に挙げます。

  1. 資産の評価が難しい
    おそらく予測できる家賃収入から資産価値を計算するんでしょうが、正直、素人にはかなりハードルが高いです。
  2. 長期で将来、資産価値が上がると株式ほど確信が持てない。
    これは私の個人的な考えです。日本は年々、人口が減少していっています。20年後、30年後、資産価値は上昇しているでしょうか?
    例えば、S&P500は30年後、ほぼ確実に今より上昇していると確信を持って言えると思います。株式と比較すると不動産投資はそこまでの確信が持てないというのが不動産投資に対する個人的な感覚です。
  3. 最低取引額がかなり大きい
    都内で不動産投資をするとなるとおそらく最低でも数千万円は必要になってくるかと思います。資産評価が難しい上に投資額が大きいのでかなりハードルが高くなります。
  4. 流動性が低い
    ①、②に加えてさらに流動性が低い点も初心者には大きな壁になります。株式のように公開のマーケットがあるわけではないので売ろうとなった場合、個別に買い手を見つけてきて交渉する必要があります。
  5. 売買にかかる経費が大きい
    売ろうとする場合、買い手を見つけてくる必要がありますが、個人で買い手を見つけるのは難しいので仲介業者に依頼することになると思います。ネット証券の株式売買の経費は今や数百円なので比べてしまうとかなりギャップがあると思います。
  6. メンテナンスなどの管理や税金の支払いなど維持に手間とお金がかかる
    不動産経営をするのであれば、確定申告は必須になってくるでしょう。さらに建物は経年劣化してくるのでメンテナンスにも手間とお金がかかります。

一方で不動産投資のメリット・優位点もあります。

  1. 銀行から借入をしてレバレッジをかけることができる
    数千万円の不動産を購入する際、手元に現金がなくても購入した不動産を担保に銀行から借入ができます。株式を購入する際、個人が銀行から資金を借り入れることはほぼ不可能なので大きなアドバンテージと言えるでしょう。
  2. 自分の努力でリターンを高めることができる
    株式は買ったら基本的にホールドです。リターンが大きくなるか否かは投資家ではなく、経営陣の手腕にかかっています。一方、不動産投資は投資したあと、リフォームしたり設備を新しくしたりすればリターンを自分の努力であげることができます。

メリットの①は特にまだ投資する資金が小さい個人投資家には非常に魅力的です。『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』ではレバレッジを10倍にして不動産投資をする例が紹介されています。

不動産投資もそういった面ではいいなと思う一方、メリットとデメリットを勘案すると、やはりちょっと踏み出すには決め手にかけるかなと思ってしまいます。お金だけでなく時間や手間などすべてを含めた費用に対する効果としては、やはり株式投資の方が優位なのかなと思ってしまいます。
さらに日本は地震や大雨などの自然災害も頻繁に起こるので、いつそういった災害に自分の所有する物件が巻き込まれるということもある程度リスクとして織り込む必要がありそうです。

金持ち父さんシリーズでは不動産を投資して軌道に乗ってきたら会社を設立し、法人の税制上の優位性を利用するのが経済的自由を手にする近道と紹介されています。金持ち父さんシリーズには投資ガイドというさらなる続編があるらしいので近いうちに読んでみようかと思っています。

何に投資するかに関わらず、金持ち父さんシリーズで示されているように、自分の経済的立ち位置を損益計算書(キャッシュフロー)とバランスシート(資産と負債)に分けて考えるという視点は資産運用をしている人やこれから検討している人には非常に参考になると思います。


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