ブラックロック(BLK)Q4
決算発表 1月14日
【決算概要】


株価:845.00ドル(1月14日始値)
2021年EPS:39.18ドル
2022年EPS(予):42.75ドル
PER(実):21.57倍 益回り:4.64%
PER(予):19.77倍 益回り:5.06%
過去10年平均PER:16.01倍 益回り:6.25%
運用資産総額が10兆ドルを突破
決算はEPSが市場予想を上回ったものの、売上高は市場予想に届きませんでした。

運用資産総額は初めて10兆ドルを突破しました。これは資産運用会社として史上初ということになります。
前期比で約5,400億ドル増、5.81%増えたことになります。

資産フローの内訳を見ると、長期投資としての資金流入が非常に大きく、1,690億ドルでした。2021年中の四半期ではもっとも大きい額となりました。

なかでもETFへの資金流入は顕著でした。Q4(10-12月期)の3ヶ月のあいだに1,040億ドルもの資金流入がありました。
上のグラフからもわかるとおり、これは過去2年間で最大の資金流入でした。
2022年は苦難の年になる可能性も
しかし、株価は寄り付きで-2.6%と下落しています。
決算はあくまでも過去の数字です。車で言えば、バックミラーの景色です。
今年はFRBによる3回、もしくは4回の利上げが予想されています。
金利の上昇はETFなどブラックロックが販売する金融商品の魅力を相対的に劣後させますから、業績にとっては間違いなく逆風です。
さらに利上げだけでなく、FRBの資産売却によるバランスシート縮小も検討されています。
バランスシート縮小は、お金をFRBが吸い上げることで世の中全体に出回るお金の量を減らすことを意味します。
2020年のコロナショック以降、異次元の金融緩和の恩恵でブラックロックは業績を拡大してきました。FRBが世の中にジャブジャブと資金を供給し、その一部がブラックロックにも流入してきました。
さらに株価も上昇し、2重の追い風を受けて運用資産額を10兆ドルの大台に乗せてきました。
2022年はその逆回転が起こる可能性があります。つまり、金利上昇やバランスシート縮小による流動性低下と株価下落による運用資産額の減少という2重の向かい風にさらされるリスクがあります。
ブラックロックは長期では成長が期待できる会社だと思いますが、2022年は苦難の年になるかもしれません。
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