ディズニープラスの会員数の伸びが鈍化 ウォルト・ディズニー 決算 Q2

ウォルト・ディズニー(DIS)Q2

決算発表 5月13日
【決算概要】

Q2(前年比)市場コンセンサス予想
売上高156.1億ドル(-13.4%)156.4億ドル
営業利益率15.8%(+2.4%<+240bps>)
EPS0.79ドル(+31.7%)0.27ドル

株価:176.47ドル(5月26日終値)
2020年EPS:2.02ドル
2021年EPS(予):2.39ドル

2022年EPS(予):5.06ドル
PER(実):87.36倍 益回り:1.14%
PER(2021予):73.84倍 益回り:1.35%

PER(2022予):34.88倍 益回り:2.87%
過去10年平均PER:17.16倍 益回り:5.83%

ディズニープラスの会員数の伸びが鈍化

ディズニーは主に4つのセグメントに分かれています。

  • Linear Networks(4大ネットワークのABCやケーブルテレビ事業など)
  • Direct-to-Consumer(ディズニープラス(Disney+) やHuluなどの動画配信事業)
  • Content Sales/Licensing and Other(映画事業やキャラクターライセンス事業など)
  • Disney Parks, Experiences and Products(ディズニーリゾートなどのパーク事業)

各セグメントの売上高は以下の通りでした。

Q2売上高前年比
Linear Networks67.5億ドル-4%
Direct-to-Consumer40.0億ドル+59%
Content Sales/Licensing and Other19.2億ドル-36%
Disney Parks, Experiences and Products31.7億ドル-44%

今期(1-3月期)は依然アメリカ国内の多くの映画館は閉まっており、カリフォルニアのディズニーランドも閉園したままでした。映画事業とパーク事業が前年比で大きく落ち込んでいるのはそういった事情によるものです。4月以降、映画館やディズニーランドが順次営業を再開していることから次の決算では回復が見込まれます。

3月に公開された新作映画『ラーヤと龍の王国』は劇場公開と同時に、ディズニープラスで追加料金を支払ったユーザーが観られるプレミア公開も行われました。 アメリカ国内の多くの映画館が閉まっていることによる措置だと思われます。

成長の柱は動画配信事業です。
各動画配信サービスの会員数は以下のとおりです。

20′ Q220′ Q320′ Q421′ Q121’Q2
Disney+3,350万人5,750万人7,370万人9,490万人1億360万人
ESPN+790万人850万人1,030万人1,210万人1,380万人
Hulu3,210万人3,550万人3,660万人3,940万人4,160万人
合計7,350万人1億150万人1億2,060万人1億4,640万人1億5,900万人

ディズニープラスは会員者数が1億人を突破しました。しかし、どのサービスでも会員者数は伸び悩んでいる傾向にあります。ワクチン接種がすすみ、巣篭もりから外へと需要がシフトしている影響でしょう。
ディズニーに先立って決算発表があったネットフリックス(NFLX)でも会員数の伸びが鈍化しています。

21年Q1(10-12月期)にはディズニープラス会員が前の四半期から2,000万人以上増加しましたが、今期は900万人程度に止まっています。
10-12月期には感謝祭やクリスマスなど、自宅で家族と映画を観る機会の多い季節で、会員数の大きな伸びにはそういった季節性もあったと思いますが、それを差し引いても伸びの鈍化は顕著だと言えると思います。

株価は2022年の予想PERで34倍台とお世辞にも割安とは言えません。昨年の夏以降、ディズニープラスへの期待から株価は大きく上昇してきました。社会が経済再開へシフトすれば、ディズニープラスの成長も一時的に伸び悩む可能性があります。

一方、今まで我慢を強いられてきた人々が、ワクチン接種がすすみ集団免疫を獲得したと確認されれば、映画館やディズニーランドに押し寄せる可能性があり、2022年の業績が上振れる可能性もあります。
ただ、現在の市場予想に沿った増益幅にとどまれば、目先1年の株価の上昇は限られたものになる可能性が高いと思います。


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