それでも私はQ4以降のマーケットの見通しは楽観的すぎると思う

下落は調整か相場の変わり目か

月曜日のニューヨーク市場は大幅続落で始まっています。
S&P500は8月に史上最高値を更新しましたが、一転9月に入ってからは下落が続いています。

9月2日に記録したS&P500の直近の高値からの下落率は9%です。
この下落に対してはいろいろな意見が聞かれます。4月以降の回復が急すぎたので単なる調整にすぎないという声がある一方で、4月以降の回復相場の潮目が変わった、大統領選まではさらに下落するといった意見もあります。

どうなんでしょうかねぇ、私には今回の下落が調整なのか、相場の変わり目なのかはわかりません。というか、100%確実にわかる人はいないと思います。いたらその人はすぐに億万長者になれます。

バブルの水準までは上がりきっていないと思うが、マーケット予想は楽観的?

下落を期待する(?)声の中にはバブルを危惧する声も含まれています。私は急落前の株価はバブルの水準までは上がりきっていないと思います。バブルになるとしたらこれからです。まだあと2、3年上昇が続かないとバブルとは言えないと思います。

WSJによるとこの先12ヶ月のEPSをもとにしたS&P500の予想PERは25.5倍、NASDAQでも31倍です。80年代の日本のバブル時、日経平均のPERは80倍以上、2000年代のITバブルのときのNASDAQのPERが100倍以上だったらしいので、PERで見るとまだまだバブルといえる水準には達していないと思います。

ただ、そのPER算出のもとになっている予想EPSの市場コンセンサス予想は少し楽観的だと思っています。
私は5月からマーケットは少し楽観的すぎると言い続けてきていながら、その後も株価は意に返さずスルスルと上がり続けているのですが(つまり今のところ私の主張は当たっていない)、まだ今冬以降のマーケット予想EPSの見通しは楽観的すぎると思っています。

出典:ファクトセット

上のリンクの5月の記事中のグラフを見ていただければわかると思いますが、5月時点で2020年の予想EPSは128.49、2021年は164.26だったので、9月までの4ヶ月間でマーケットはさらに少し楽観的になっているというのがわかります。

出典:ファクトセット

四半期ごとの予想EPSのグラフを見ると、マーケットはQ2(4-6月期)が経済的な底で、そこからV字回復するというシナリオは変更していないようです。

私がどうも怪しいのでは?と思うのは20年のQ4(10-12月期)と21年のQ1(1-3月期)です。冬を迎えても、こううまくトントン拍子に回復するだろうか?ということです。気温が下がって乾燥してくれば感染者数は再び増加するんじゃないかなと思います。

トランプ大統領は10月中にアメリカ国内でワクチン接種が開始され、年末までに1億人分のワクチンが提供できると話したところ、CDC(疾病予防管理センター)のトップが否定したため、一悶着あったようです。トランプさんの言うようにワクチンの提供が年末までに本格化するのと、CDCが言うように来年のQ2(4-6月期)もしくはQ3(7-9月期)になるのとでは経済活動に与える影響がかなり変わってくると思います。

また、ワクチンに対するマーケットの期待も少し大きすぎるのでは?と思います。ワクチンはあくまでワクチンであって、発症した人の治療には使えません。果たしてワクチンの普及によって感染状況が劇的に改善するのか疑問です。しかし医療にはまったくの素人なので、マーケットが期待するとおり、ワクチンが普及すれば死亡者数も感染者数もガクンと落ちる可能性もあります。このあたりの将来の見通しに関しては正直、自信はありません。

落ちるナイフは掴むなと言うが・・・

よく「落ちるナイフは掴むな」という格言があります。下落相場では安易に買うな、という意味ですが、最近の相場を見ていると「じゃあいつ買えばいいのよ!?」と思ってしまいます。

3月の相場急落時、多くのアナリストから二番底が必ずくる、二番底を確認するまでは買うな、という意見が多く見受けられました。しかし4月以降、あれよあれよという間に急回復し、結局手を出すことができませんでした。

私は長期で投資をしています。買った銘柄がこの先2、3年は含み損を抱えても翻意しないほどの意思や根拠がなければ、長期投資では本来買ってはいけません。逆にその価値が確かだと思う銘柄が妥当な水準まで下落してくれば、マーケットが急落している中でも素直に買えばいいのです。3月、4月にはそういった意識が少し薄かったかなと、少しマーケットの流れを気にしすぎたかなと反省しています。

妥当だと思う水準まで落ちてきた銘柄を買う、シンプルですが、シンプルなことほど難しいのです。最後は、えいやで買うしかないかなと思って今後のチャンスをうかがおうと思います。


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