私は現在、ボーイングに投資をしています。投資し始めたのは737MAXの生産再開スケジュールが遅れるとして株価が下落した2019年10月です。が、このボーイング株、売るかホールドか最近迷ってます。私の投資ポリシーとして、株価の下落は投資行動の判断基準にはならないです。株価下落よりもその会社を取り巻く環境が変わって、そもそも投資した前提が崩れてしまった際には投資判断を変更せざるをえません。
まずは私がボーイング投資を決めた理由から説明したいと思います。
ボーイング(BA)に投資した理由
①今後20年間の航空需要の増大期待
まずはグローバリゼーションによって、単純に飛行機に搭乗する乗客が増加するだろうという点です。
IATA（国際航空運送協会）が2018年に示した予測では航空旅客は2037年までに2018年比で約2倍の82億人にまで増えることが予想されています。ちなみにグラフの3色はビザの規制や保護主義台頭によっての振り幅で、緑＝楽観的、赤＝現在の状況が続くならば、青＝保守的ということです。
加えて過去20年間、航空旅客数は一貫して増加しており、約3倍に増えました。
②ボーイングはプレイヤーではなくサプライヤー
では、なぜ航空会社ではなく、ボーイングなのか？
答えは結構シンプルでボーイングはプレイヤーではなく、サプライヤーだからです。
つまり、いくら航空旅客が増えて市場が拡大しても、LCCなどの航空会社が増えて、低価格で競争が激化したら1社あたりの売上の増加はあまり見込めません。
しかし、ボーイングはその航空会社に飛行機を供給するサプライヤーです。プレイヤーである航空会社が増えれば増えるほど、航空機の需要は増える、ボーイングにとってはビジネスチャンスになるということです。
③事実上、世界市場を2社で寡占している
そして②をさらにボーイングにとってさらに旨味のある状況にしているのが、サプライヤーが世界に2社しかないということです。
世界の商業航空機のシェアはほぼボーイングとエアバスの2社で独占されています。小さなプライベートジェットはホンダなど他にもサプライヤーがいますが、長距離大型旅客機は完全に2社独占です。しかも、航空機製造は莫大な技術的・人的資本が必要でそうそう簡単に新規参入できません。というか、他の製造業からの参入は設備投資などのコストとリスクを天秤にかけたら不可能と行っていいでしょう。まさに非常に大きな広い経済的濠です。
コロナは航空業界を取り巻く状況を一変させうるか
3～4年後に、昨年までのように飛行機に乗るようになるのか見通せない by ウォーレン・バフェット
バフェットは先日の株主総会でこのように述べ、バークシャー ハザウェイが保有していた4社の航空会社株すべてを手放したことを明らかにしました。そもそも、上記のサプライヤーとプレイヤーのセオリーをバフェットが知らない訳はなく、なぜ航空会社株に投資するのか不思議に思ってました。「まぁ、天才には凡人には見えない未来が見えているのかなぁ」と思っていたのですが、今回の売却で謎は謎のままに終わりました。
一方で、バフェットはボーイングについて、「評価が難しい」と言っていました。
【結論】売るかホールドか非常に迷ってます
私は基本的に長期での投資を前提としています。
ボーイング株投資を決めた上記3つの理由からいくと、
①今後20年間の航空需要の増大期待 △
②ボーイングはプレイヤーではなくサプライヤー ○
③事実上、世界市場を2社で寡占している ◎
①はどうなるか不透明です。
ビジネスでの出張はもしかしたら減るかもしれません。ただ、海外旅行客は減るでしょうか？旅行もネットで、オンラインで、となるでしょうか？私はそうはならないと思います。海外旅行客は今後も増え続けていくんじゃないか、であれば10年、20年先を見据えたら、むしろ今は買い場かもとも思いますが、今、買い向かう勇気は正直ないです。（個人的に可能性はそこまで高くないと思いますが、資金繰りに行き詰まって経営破綻、という可能性もゼロではないです。）
②はサプライヤーなのは間違いないですが、プレイヤーが今、瀕死の状態です。プレイヤーがいなくてはサプライヤーは儲かりません。なので△。
③は変わらず◎です。なのでアメリカ政府は意地でもボーイングは守ると思いますが、一旦、経営破綻させて上場廃止、それから経営支援で再建というシナリオもあり得るので、アメリカ政府がバックにいるから株主は安心という風には考えない方がいいかと思います。
10年、20年での成長が見込めるとしても、数年単位では成長どころか、2019年の水準に戻るのも簡単ではないと思います。であるならば、一旦、売って他の銘柄に投資する資金に回して、環境がよくなってきたところでボーイングに戻ってきてもいいかなとも思いますが・・・うーん迷う・•・
名前：夏山繁樹
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