YouTubeの他のコンテンツビジネスに対する優位性

昨日、インド人の友人にあるYouTubeチャンネルを勧められて見ていたら気付いたら夜中の2時でした。
Grandpa Kitchenというチャンネルで、何てことはない、インド人のおじいさんが屋外で料理をするだけの動画なんですが、ついつい見入ってしまいました。

おじいさんのインドなまりの英語と、自然の中で薪で火を起こしながら料理をする風景に癒されるというか、見始めると止まらない中毒性があります。夜中に見ると飯テロな面もあります。
鶏や七面鳥は屠殺したそのままの状態から料理する場合があって、お湯で下処理をして毛を剝いでいきます。都会生まれ都会育ちの私には少しショッキングな映像でしたが、よくよく考えてみれば私が普段食べている鶏肉だってこのようにして処理されたものを食べているわけです。普段、気にかけていないものを映像で見ただけで色々と考えさせられるのも少し変な話かもしれませんが、文明社会にどっぷり浸かっている私には印象的な動画でした。

おじいさんは昨年、亡くなってしまったようですが、動画の数はかなりの数がアップロードされていて、時間のあるときに少しずつ見ていこうかと思っています。

YouTubeとNetflix

Grandpa Kitchenはおじいさんといつも一緒に料理をしている若い男性がチャンネルの運営や動画の編集をしているようです。有名人でもない彼らが作った映像を世界中の人々が見ることができるYouTubeって改めてすごいなと思いました。十数年前では考えられないことです。

YouTubeは私の生活において、もはやなくてはならないものとなりました。YouTubeの動画を1回も見ない日はないです。
「動画配信」という括りでは少し趣が異なりますが、ネットフリックス(NFLX)があります。私の妻が会員なのでこちらもよく見ていますが、週に数回といったところでしょうか。妻は毎日のように見ています。

YouTubeネットフリックス
MAU/有料会員数20億人1億6,700万人
広告収入/売上高151億ドル201億ドル
数字はすべて2019年度

ネットフリックスとYouTubeの基本的なデータです。
そもそも顧客から料金を徴収するサブスクリプションと広告ビジネスとでビジネスモデルが違うので月間アクティブユーザー(MAU)数と有料会員数は単純比較はできませんが、参考までに挙げました。ちなみにYouTubeは151億ドルの広告収入に加えて、バックグラウンド再生や広告なしで動画再生ができる有料会員からの売上もありますが、そちらの売上高は公開されていません。

YouTubeの優位性

動画を配信して人々に見てもらうことで収益を上げているYouTubeとネットフリックスですが、YouTubeがネットフリックスより優位な点があります。ネットフリックスだけではなく、あらゆるコンテンツビジネスに対して優位だと言えると思います。

それは、コンテンツビジネスにも関わらず、放っておいてもユーザーが勝手にコンテンツを創作してくれるという点です。

企画、撮影、編集の手間も経費もすべてユーザーが負担してくれます。動画がヒットするかハズれるかのリスクもユーザー負担です。巨額予算をかけて壮大な企画で動画を作って大コケしたとしても、YouTubeは一切ダメージを受けません。再生回数が伸びれば、ユーザーだけでなくYouTube側の広告収入も増えます。

ネットフリックスだって、ディズニーだって任天堂だってあらゆるコンテンツビジネスはコンテンツこそがビジネスの肝です。各社、程度の差はありますが、それなりの金額をコンテンツの充実に投資しています。特にNetflixはものすごい額を毎年、コンテンツに投じています。

出典:Netflix Annual Report 2019

2019年のネットフリックスのキャッシュフロー計算書です。
Net incomeという項目が純利益です。2019年は約19億ドルでした。その下のAdditions to streaming content assetsという項目がコンテンツ制作への投資です。2019年は約139億ドルでした。日本円に換算すると約1兆4,500億円、純利益の7倍以上です。ネットフリックスの株価を評価するときはこれらの費用を差し引いて考えなくてはなりません。PERはほとんど参考にならないでしょう。
1.4兆円を投資した上で黒字のネットフリックスもすごいと思いますが、その費用をユーザーに転嫁してしまっているYouTubeのビジネスモデルもすごいなと思います。

ネットフリックスは単純に高PERを敬遠して投資対象から外してみましたが、コンテンツへの投資額を考えると投資対象として検討する余地があるように思えてきました。
一方、YouTubeの親会社アルファベット(GOOGL)は最近、他のハイテク株と比べると株価が冴えません。もう少し下がってくるようであれば追加投資も検討していきたいと思っています。


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