Disney+が日本でサービスを開始

ウォルト・ディズニー(DIS)が展開する動画配信サービスDisney+が6月11日、日本でのサービスを開始しました。以前から日本にはディズニー・デラックスというディズニーの動画配信サービスがありましたが、ブランド名を統一し、コンテンツもDisney+オリジナル作品が拡充されるようです。

Netflix、Amazonのあとを追う

Disney+はアメリカでも昨年11月に開始したばかりのサービスです。動画配信サービスのマーケットシェアトップはNetflix(NFLX)です。

Netflixは1997年創業の比較的若い会社です。創業当初は国内でTSUTAYAが展開しているような自宅にDVDを郵送するレンタルサービスの会社でしたが、2007年からストリーミング配信事業を開始し急成長を遂げ、ハイテク大手5社を指すFAANGの一角を占めるまでになりました。6月15日現在で時価総額が約1841億ドル(約19兆7000億円)に上ります。ちなみに時価総額最大の日本企業はトヨタ自動車で約22兆円ですので、日本最大の企業に匹敵する大企業に実質15年弱で成長したことになります。ウォルト・ディズニーの時価総額は6月15日現在、約2040億ドルです。4月には一時、時価総額でNetflixがディズニーを逆転しました。

世界中の契約者数は以下の通りです。
1位 Netflix 約1億8200万人
2位 Aamzon Prime 約1億5000万人
3位 Disney+ 約5000万人
4位 Hulu 約3200万人

実は日本でもサービス展開していますが、上の2018年の市場シェアグラフ4位のHuluはディズニー傘下です。ディズニーは2つのブランドで巻き返しを図ります。しかし現状ではDisney+とHuluを足してもNetflixの半分にも届きません。

それでも私はディズニーに賭ける

数字だけみるとなかなか苦戦が予想されますが、私はそれでもNetflixではなく、ディズニーに投資をします。

まず、なんと言ってもディズニーのコンテンツの強さです。Disney+は主に5つのブランドが柱になっています。

・Disney
・PIXAR
・MARVEL
・STAR WARS
・NATIONAL GEOGRAPHIC

最後のナショナルジオグラフィックはピンとこない方がいるかもしれませんが、ドキュメンタリー専門チャンネルです。同名の雑誌の方が有名かもしれません。雑誌はかなり歴史が古く、1888年創刊です。21世紀フォックス傘下でしたが、2019年にディズニーが買収しました。
上の4つは説明不要なぐらい日本でも人気だと思います。前回の決算カンファレンスコールでも触れられていましたが、これらのブランドの既存作品を配信するだけでなく、スピンオフなどのオリジナル作品を今後制作していくということです。最初の目玉としてスターウォーズ のスピンオフ作品『マンダロリアン』が制作、公開されています。私も観ている最中ですが、なかなか面白いです。
今は映画は劇場公開→ストリーミング配信という順番が当たり前になっていますが、ゆくゆくは劇場公開と同時や劇場公開に先駆けて配信で公開ということが行われるようになるかもしれません。基本的に劇場よりも作品の権利元の配給会社の方が営業上のパワーバランスは上ですので将来的にはありえないことではないと思います。

次に株価です。Netflixだけではありませんが、FAANGもしくはGAFAMといったハイテク大手の株価は総じて高止まりの傾向があります。NetflixはPERが昨年実績EPSをもとに計算すると約100倍です。逆数の株式益回りは約1%です。
一方、ディズニー19年実績EPSでのPERは17.2倍です。Netflixに匹敵する事業がこれから事業ポートフォリオに加わることを考えると割安ではないかなと思います。

ただ、ディズニーに投資する際に気をつけなくてはならないのは新型コロナの影響です。

以前、掲載したディズニーのセグメント別売上比率のグラフです。現状ではストリーミング配信事業を示すダイレクト・トゥ・コンシューマーは全売上の13%に過ぎません。一方で新型コロナの影響を直に受けているパーク事業は4割弱です。NetflixやDisney+にとって新型コロナはむしろ追い風ではないかとも思えますが、ディズニーの売上全体に対する影響は絶対ネガティブです。来月7月にアメリカのディズニーワールド、ディズニーリゾートが営業再開の見込みというニュースは入ってきていますが、コロナ関連の状況はいまだ流動的です。再開したとしても大幅な売上減となって株価が落ちる可能性も少なくないと思っています。10年、20年単位で見れば絶好の買い場だと思いますが、この先1、2年は我慢が必要な展開になってくると思います。

前回の決算内容をまとめた記事はこちらです。


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