GAFA幹部「市場独占ではない」→株主(本音)「んなわけないだろ!」

アメリカ議会で7月29日にGAFA4社の経営者を招いて反トラスト法に関する公聴会が開かれました。GAFA4社は市場を独占し、競争を歪めているのではないかと追求されました。4社の経営者はいずれも市場独占を否定し、厳しい競争に晒されていると反論しました。

私はGAFAのうち、アマゾンを除く3社に投資しています。株主の立場から言わせて貰えば、

GAFAが市場独占じゃないわけないだろ!

というのが率直な感想です。むしろ市場を独占している(競合できる相手が限られている)からこそ、経済的な濠が深く、高収益が期待できると思い、投資しました。まぁ、議会から「市場独占だ!競争を歪めている!」と追求されて、「はい、そうです」と言ってしまえば火に油を注ぐことになる思うので、GAFAの経営者たちの立場も理解できますが。

私は普段、アマゾンの決算をフォローしていないので簡単にQ2の決算をまとめておきたいと思います。

アマゾン(AMZN)Q2

決算発表 7月30日
【決算概要】

Q2(前年比)市場コンセンサス予想
売上高889.1億ドル(+40.2%)815.3億ドル
営業利益率6.6%(+1.7%)
EPS10.3ドル(+97.3%)1.46ドル

株価:3164.68ドル(7月31日終値)
2019年度EPS:23.01ドル
2020年度EPS(予):18.92ドル Q2終了時点:15.32ドル
PER(実):137.53倍 益回り:0.7%
PER(予):167.27倍 益回り:0.6%

EPSは正直、数字を1ケタ見間違えたかと思って見返してしまいました。市場予想が1.46ドルで結果が10.3ドルなんてことがありえるんですね。売上高前年比40%増ってこの規模の会社ですごい成長率です。株価は言わずもがな大幅に上昇しています。

アップルのアマゾン優遇疑惑

今回の公聴会ではアップルは他の3社に比べ、そこまで執拗な追求を受けませんでした。確かにアップルは他3社と比べると、市場を独占しているというイメージは薄いかもしれません。スマホのOSではAndroidの後塵を拝していますし、ハードでもグーグル、サムスンやLG、モトローラといった会社と競争関係にあります。PCのOSではウィンドウズの方が圧倒的な市場シェアを有していますし、動画配信でもアマゾンやネットフリックス、ディズニーと競っています。
しかし、一方でアプリ配信でアマゾンを優遇しているという報道が出ています。

アップルが「アマゾンを不当に優遇」、米独禁法委員会が調査

米議会は7月29日、GAFAと総称される米国の4大テック企業の経営トップを公聴会に招き、反トラスト法(独占禁止法)関連のヒアリングを行った。アップルCEOのティム・クックは、同社が特定のアプリや開発者に対し、いかなる優遇措置も行わないと述べたが、その証言を覆す事実が明るみに出た。 アップルは、アマゾンのPrime VideoアプリをiOS端末やApple …

これが事実だとしたら、これは反論の余地がないかなと思います。アマゾンだけを優遇していたのなら、何らかの便宜を見返りに求めていたと勘繰られても仕方ありませんし、そう思うのが自然だと思います。

公聴会直後の気まずいGAFAの好決算

GAFA4社は示し合わせたように公聴会の翌日に決算を発表しました。フェイスブックは本来、29日に予定されていた決算発表を公聴会があるため、30日にスライドさせたという報道もありました。
結果はグーグルの親会社のアルファベットを除く3社は絶好調の決算でした。タイミングとしてはかなり気まずいタイミングですが、もし公聴会前に決算発表を行っていたらさらなる追求に晒されていたでしょう。

株主だが、税金はもっと払うべきだと思う

フェイスブックの決算記事でも触れましたが、フェイスブックの実効税率はわずか16%です。四半期の営業利益が約60億ドルあって、9.5億ドル程度しか税金を払っていないのです。アップルの今期の実効税率も約14%と同様に低すぎると思います。日本の大企業の実効税率は一般的に30%程度と言われています。
今後の展開で、GAFAとしては国民の支持が必要不可欠になってくると思いますが、そのためにも税金はもっと払った方がいいと思います。次回の大統領選では民主党のバイデン氏が優勢です。バイデン氏は法人税率の引き上げを公約にしていますので、市場ではバイデン氏が当選すれば株価は下がるだろうという見方があります。
確かに法人税増税は目先の利益を押し下げますが、GAFA4社に限れば法人税増税は長期的には国民の間の反感を和らげる意味でプラスに働くと思います。

いろいろと批判されているGAFAですが、一方で人々の生活を豊かにしているのは事実です。私は個人的にはフェイスブックとアマゾンはあまり利用しませんが(フェイスブックの株主なのに!)、アップルとグーグルの製品・サービスを利用しない日は1年通して1日もないと思います。今もこの記事をMacBookでChromeを使って書いていますし、最近はテレビよりもYouTubeを見ている時間の方が長いと思います。

市場独占が大きな経済的な濠となっていることは紛れもない事実ですが、行き過ぎた独占は国民の反感を買います。なかなかバランスを取ることは難しいと思いますが、引き続き、今後の動向に注目したいと思います。


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